ノルウェーのお話(過去のもの)


困った話はおもしろ話の下にあります。

おもしろ話

  • (2003年)4月、6月と二回、週末に4ー5時間の特急列車の旅をしました。ノルウェー国鉄だと子ども用の部屋があって、子ども用映画やアニメのビデオを見せてくれたり、少しですがおもちゃ(レゴブロック、ぬいぐるみ)もありました。

    一番驚いたのは、全席指定にもかかわらず、二等車の場合、適当に席を移動してもいいこと(ノルウェー国鉄)。子連れで、始発ではない駅から乗車したら、カップルに席を占領されていたうえに、「どこに座ってもいいと車掌も言っていた。君たちも好きなところに行ったら?」などと言われました。しかし三人で一緒の席はなかなかない。困っていると、やっとカップルがどいてくれました。

    また、日本では家族4人です、と予約に行けばボックスになるように座席を手配するのは当たり前ですが、まずボックス席が少ない(座席は回せません)。その上、予約のコンピュータシステムではどの番号がボックスかがわからない!そこで、まったく適当に座席番号が来ます。(だから移動可能なのかも。じゃ、自由席と言ってよ。)

    ちなみに、ノルウェーでもスウェーデンでも子どものしつけはよかったです。電車の中で騒ぐ子どもは見たことがありません。親がひとにらみすれば静かにします。

  • 修士課程になると、試験を欠席した学生の理由がときどきすごいです。妻の出産とか、本人(女性)の流産。(涙) 

  • オスロ大学日本語科の先生(日本人)から聞いた話:大学院の日本語科修士課程は定員50名。それをどうやって選ぶかというと。。。。先着順。

  • 5月といえばrussのシーズン。これは高校を卒業する際にお祭り騒ぎをする生徒たちのことです。すごくだぶだぶなまっ赤やまっ青のジーンズを着ているので、すぐわかります。毎年のことで、先輩払い下げのぽんこつバスをごてごてに飾り、大勢で乗り込み、大音量の音楽を流し、飲めや踊れの大騒ぎを連日連夜くりひろげる彼ら。交差点のまん中に、粗大ゴミから拾ってきたのか、ソファとテーブルをおいて、『居間』にしたり!とにかくクレイジーなことをしなくてはならないようです。早慶戦後と卒業謝恩会を合わせて10倍くらいにするかんじ。(ところで試験はまだ終わっていないのでは?)

  • E-learningについて

    ネット社会の北欧ですから、もちろん大学の掲示はすべてネット上。(校内には掲示板もありますが、たいしたことは出ていない。)休講、試験日程などの事務連絡から、講義の配付資料、さらに講義ノートを掲示してくれる先生もいます。講義資料などは、ログイン式になっていて、履修しないと見られないようになっています。i-modeはまだありませんから、携帯ではこれらは見られません。学生はほぼ全員ノートパソコンを毎日持って歩いています。廊下のコンセントはフル使用状態。

    掲示板以外のネットの使用法は、インタラクティブな実験、シュミレーション、講義中にネットで情報を見せることくらいです。教科書や参考書を学生に買わせるかわりに、先生がいろいろな資料を集めて電子本を作ってくれることもあります。教員は、どの資料が誰にいつごろダウンロードされたかの統計データまで見ることができて、なかなか便利です。

    気候が厳しい北欧では、マイナス20度の日に学校へ来ないと休講かどうかわからないのはかわいそうです。その意味ではネットの情報は社会にとってよいことです。しかし。。。

    問題その1:教室内もワイヤレス接続可能なのですが、これはいただけない!パソコンでノートを取るふりをして、他のことばっかりしている!

    問題その2:すべて電子書類でレポート提出、とする先生もいますが、他人の文書をコピーペーストすることがあまりに簡単なので、こちらはカンニングを調べるのに苦労します。ある先生は文章が同じかどうかを比較するプログラムを持っているそうな。

    そもそも小学校の時から自分でノートを取ることが少ないノルウェーの学生が、このように全て電子生活をしていると、ますます考えながらノートを書く、という作業をしなくなります。試験はまだ手書きですから、ひどい字、スペルミスと計算ミスの嵐、となります。私はやっぱり手で書きながら勉強することがいいと思います。

  • 氷の話:

    冬期は湖はおろか、川と海も凍ります!で、近所の島まで歩けるわけです。一応気象庁(?)の人が氷の厚さを検査して、安全なところに印を付けてくれるそうで、それに従って氷上散歩が冬の風物詩です。私はさすがに恐くてできませんでした。

  • 火の話:

    都市ガスのないノルウェーの家はオール電化ですが、かなりの家には本物の暖炉があります。薪はスーパーやガソリンスタンドなどで簡単に手に入り、庭の木を切ったりしても作れます。(当たり前。)同じオール電化生活のアメリカから来ると、日本のガス台所はちょっと恐いかんじですが、直火に慣れているノルウェー人には恐くありません。

    ろうそくも冬期はかなり使います。パーティのときだけでなく、ちょっとごちそうを作った夜なんか、テーブルにティーライトを灯します。部屋のあちこちにもろうそくを灯すと雰囲気満点です。(その上、ヨーロッパは間接照明が多くて全般に暗いので。)部屋は広いし天井は高いので恐くありません。

    夏はもちろんバーベキュー。庭、ベランダやキャンプ場でどんどんやります。炭、あるいは移動式プロパンガスコンロが多いです。1回で使い捨てのアルミ箔製炭グリルなんてのもスーパーに売っています。(上は網になっていて、焼そばは作れません。バーベキューのメニュー比較:日本は焼そば、米国はハンバーガー、ノルウェーはソーセージ。)というわけで、一年中直火が周りにある生活です。

  • 妙なノルウェー英語:
    "loose money" (どんな金だ!ゴムでできてるのか、と思わずつっこみたくなります。oの数が適当なんです。)

    "derivate" (微分する =differentiate のつもりなのですが、このような英語はありません。ノルウェー語のderivare の直訳。)

    ちょっと注意しないと they が the になってしまう人も多いです。ノルウェー語のthey は de なので。  Then the loose money. なんて書いてある。 

  • ノルウェーにはなさそうで、あるもの:

    ノルウェーブランドのカップラーメン。(味は3種類。袋もあります。袋の調理方法のところに『水3ー4デシリットルを沸騰させる。』と書いてあってびっくり。水の量が1デシリットルくらい違っても、どうでもいいということか。。。日本のカップラーメンの種類をネットからダウンロードして見せたら、あまりにバラエティが多くてノルウェー人がびっくり。)

    日本探検(!)番組(ときどき国営テレビでやっています。前回はラブホテルを女性二人で探検していました。。。。恥ずかしい。)

    かなりの家で、玄関で靴を脱ぎます。 

    お誕生日会でお金をプレゼントにすること。(もちろん、のし袋はありませんが。)

    なさそうで、ないもの:

    小学校で子どもが教室を掃除すること。(普段は用務員が、学年始めには親が!やります。)

    電話連絡網

    みりん。(唯一の日本食料品店が酒類の販売許可を持っていないせいでしょう。日本酒はお酒販売公社で○桂冠を売っています。)

    携帯電話にストラップをつける穴。(ちなみに、日本製の携帯はなくて、ヨーロッパ製としてのソニーエリクソンだけ。あとはノキア、シーメンスが大手。分厚いので立たせることができる!)

    ししゃもは見たことがありません。

    ちょいと違うもの:

    映画館は全席指定。

    郵便局にはお店がついていて、包装材料はもとより、ギフト用の商品が多数あります。お菓子、CD, DVD,ビデオ、おもちゃなど。便利。(ちなみに、日本の郵便局はカウンターごしに、局員の仕事が丸見えになっていて、モラルハザードが起こりにくいようになっていますね。よいことです。スタンフォードの郵便局はついたてで何も見えなくして、局員は裏でコーヒーばっかり飲んでいましたっけ。大量の学生が列をなして待っていても。ノルウェーの郵便局はその中間くらいで、棚が大量にカウンターの後ろにあるので、探すふりをしてすこしさぼれますが、あまり長くはさぼれない。)

    セーターの編み方(U夫人曰く「腹巻き状態で編んでいって、切るのよね。」いやーびっくり。でも腹巻き編みは効率がいいことを発見しました。表編みだけでずーっと行くんです。最後に切って縫うところはちょっと恐くて、時間もかかります。) 

  • 日本でも家のオークション販売がちらほら話題になっているようですが、ノルウェーではすべてオークションです。なかなかよくできている制度なので、ちょっと説明:

    まず、家を売ろうと思ったら、売り主は鑑定してもらう義務があります。鑑定はとても詳細で屋根裏までばっちり見てあります。修理が必要そうな箇所についてもはっきり書いてあります。その結果、二種類の『価値』を鑑定士がつけます。一つは『予想市場価格』、もう一つは『最低価格』のようなもので、前者の方が高いです。家の質と、場所による相場を加味して鑑定士が考えるものです。これらを目安にオークションが行われるというわけです。

    次に、不動産屋を通じていろいろなところで宣伝を始めます。新聞の中の広告、折り込みのパンフ、不動産屋のウィンドウ、そしてインターネット(これは大手のサイト)などです。その宣伝には家の概要と鑑定による二種の価値額、売り主の希望価格(これはつけない人もいます)、そしてオープンハウスの日程が書かれています。

    これらの広告を見て、買手たちが不動産屋に連絡してきます。オープンハウスはアポなしでも見られますが、鑑定書類は不動産屋に問い合わせるか、オープンハウスに行かないともらえません。オープンハウスはだいたい2ー3日間で金ー日が多いです。この期間が終わると、いよいよオークションに入ります。でもオープンハウス期間中でも付け値をしてもいいです。不動産屋に『オークションに参加したい』という意向を伝えておけば、最初の付け値がつくか、オークション期間が始まったとされるころになると「どうですか?」と連絡してくれます。付け値にはコミットする時間も書きます。つまり『本日14時まで、200万クローナ』てなかんじです。他の買い手はこの情報を聞いて、14時までに値を釣り上げるかを考えます。売り手も14時までに、他に値が付かなかったら、その値段で売るかを返事しなくてはなりません。不動産屋と買い手、不動産屋と売り手の間で何度も電話が行き来します。しかし、高い買い物ですからそんなに何回もつり上がったりはしないようです。だいたい1日でかたがつきます。

    最高値が決まったところで、売り主はさらにその値で売るかを最終的に判断できます。(ここまで来て、「やっぱり売らない」と言われてしまった人もいます。)売り主がOKとなると、取り引き成立と なります。不動産屋の手数料は売り主が払い、買手は払いません。ちゃんと買いやすくできているからこそ、売る方も安心です。1926年築、なんて家もそれなりの価格で取り引きされています。(日本と違って土地だけに価値があるわけではないです。良い家は何十年経ってもすばらしいし、きちんと評価されています。)

    この制度でよいと思うのは、鑑定の公正さ、情報のオープンさ(建物の面積は、建物全体と廊下や屋根裏など居住できない部分をのぞいたものの2つ明記されますし、修理、改造履歴の詳細もあります)、それに不動産屋が純粋に仲介役であるところです。売り手と買い手が主役ですから、当事者にとって明解な制度です。あと、家は一人の名義になっていたとしても、売るには妻や同居人(結婚していない人も多いので)の同意が必要でした。これはすごい。

    さらに、外国人でもきちんとした収入の証明があれば、簡単に住宅ローンは組めます。これは日本でも是非やってほしいものです。うちでは、旦那は国家公務員であったにもかかわらず、日本では住宅ローンが組めず、激怒しました。 

  • 奥さんたちのおしゃべりもだいぶわかるようになりました。日本だと旦那や旦那の家族の悪口が出るところ、こちらでは近所の人、よその子(その子のお母さんがいないときに限る)、担任の教師の文句が多かったです。アメリカと違ってパーティは長引きます。ホームパーティが主流ですから何時間いてもお金はかからないし。たとえ明日仕事があろうと、深夜までは当たり前。奥さんだけでもよく飲みよくしゃべります。もちろん誰も旦那に気兼ねして早く帰ったりしません。(私も。)

  • 学生が日本と比べて大きな顔をしているのは、制度の違いでしょう。大学によっては教員の会議に学生代表を同席させたりしているし、教育省の大学評価の調査団にも(他大学の)学生代表が同席し、質問までしたそうです。代表は互選のようですが、「学校に影響を及ぼせるのでいいですよ」などといって候補を勧誘していました。そうかい、そうかい。

  • ノルウェーでは学生でいるかぎり政府の奨学金(貸与)で食べていけるので、学生のモラルハザードはまことに深刻です。苦労して就職して働くより、のんびり院生(!!)になる方がいいというわけでしょう。MBAになってしまうと勉強させられるので、文句が多いようです。(真顔で「毎日夜まで勉強しないといけないのでつらいです。」とMBAの学生は言って来ました。当たり前でしょうが。)教育が消費財と化していて、投資になっていない。。。

  • モラルハザードの実例2つ:その1(これは学生じゃないけど)。この大学はじまって以来の女性教授が昨年誕生しましたが、彼女はそのとき療養休暇を取っていました。で、その期間が終わったとたんにサバティカルに入ったそうです。

    その2。今年のMBAの学生はひどかった。微分できないのはまだしも、できる人に聞きもしないで宿題をやってくる。で、individual hand-in だと言っているのに、丸写しとかそれに近いものばかり。(その上、学期が終わったあとの授業評価のアンケートには『グループ勉強が禁止されていてよくなかった。』とか書いてくる。禁止していないし、やっていたくせに何を言う!)去年の学生はなんとかフリーライディングを隠そうと努力はしていた。それすらしないで「彼と一緒に勉強して同じようなことを書いたのに、どうして彼はBでぼくはCなんですか」とか文句言ってくる。(君の書き方ではわかっていないのが一目瞭然なんだよ。) それともこれはsignal jammingかもしれない。(教えるともっとやりそうなので、教えてやらないぞ。)  

  • 1年たったので、労働ビザの更新をしました。東京の入管がホッブズ的世界であるのに対し、こちらはまことに穏やかでした。役所の窓口でジョークがとびかい、心からのありがとうが聞かれました。しかも無料。(注:2004年より手数料ができ、しかも800クローナ、一万円以上になりました。政策の変化?)待ち合い室には授乳室あり、テレビではアニメ。小国のいいところを見ました。(でも3時間待ちましたよ。)

  • ここの大学ではボーナスはありません。それどころか、7月はお給料もありません。夏期休暇期間だからでしょうか。(でも研究室や図書館は開いています。)では給料なしの7月はどうするかというと、その他の月に月給から『休暇金』として差し引いておき、だいたい1ヶ月分の額にするようにして6月に支払ってくれます。つまり強制貯蓄になっています。大学の教職員でも『ありときりぎりす』のモラルを知らない人がいるであろうという親心?

  • 少年サッカー大会に応援に行ってきました。地元のプロチームも関わって、盛大なものでした。大会要領の冊子に『父兄の方へ』というページがあって『是非応援に来て下さい。ただし:子供のプレーを批判しないこと。監督、コーチの言うことを批判したり、自分の子を出して欲しいと要求しないこと。。(中略)。サッカーをするのはあなたのお子さんです、あなたではありません。』というすばらしい注意書きがありました!親はどこでも同じですね。

  • ときどき、日本製品の芸の細かさを比較によって発見します。長男が使っている水筒は日本製。次男にはヨーロッパ製のものをこちらで買いました。外見はかなり似ていますが、ふたの構造が全然違うことを後に発見しました。日本製のものは外ふたをしてしまえば自動的に中ふたが閉まるので、こぼれないかとチェックする必要はないのですが、ヨーロッパ製のものはそのような芸がないので、必ず中ふたがしまっているかを調べなくてはならず、何度か失敗しました。そのうえ中ふたがしまっているかは一見しただけでははっきりしない形になっている。。。

  • テストの話を3つ。解答用紙は3ー4枚のカーボン式で、1枚は学生がキープし、残りは採点者と試験事務局がキープするようです。安全このうえない仕組みで感心。もちろん欠点もあります。まず、大学としては費用がかかるでしょう。採点者としては、A4サイズ、かつ試験時間3ー5時間だから答案枚数がすごい。一人で15枚とか20枚とかを出して来ます。。。

    持ち込み条件が「すべて不可」となっていても、基本的機能のみの計算機は常にOKになっています。だから3けたと3けたのかけ算とかを出してもいいわけです。(それくらい手でやれよ!と思いますが、計算機がなければ『絶対』できないと主張されます。)ところが、計算機があるためか解答が整数でない場合、すべて適当に丸めた小数で書かれてきます。生産量、価格、利潤。。。と何回か演算をくりかえしていくと丸めた部分が人によってずいぶん異なってきて、解答のバリエーションが多くて困りました。

    試験監督は教職員はやらず、アルバイトの老人(!)たちがやります。彼等は毎回やっているプロ(?)のようです。講義担当の教員は試験中に巡回しますが、それも開始直後の1回だけ。あとは質問が来なければ研究室で待機しているだけでいいんです。とはいっても1月の試験では2m近い雪の中、5回も6回も道をへだてた別の校舎まで呼び出されてつらかったーーー。

  • 小学一年生の次男が身体検査を受けました。手書きのメモみたいな診断票をもらいました。中身は『視力:普通、聴力:普通、身長:○○センチ』だけ。あれ、体重は?それに普通って言われても。。。細かいことは気にしないお国柄がよく表れています。

  • 子供のスポーツについて:少年サッカーチームは学年別どころか、各クラス別かつ男女別にあるくらいたくさんあります。スタメンという概念は子供のスポーツにはなく、全員で試合中どんどん交代して出ます。皆で少しずつうまくなっていくというかんじです。地元のチームを集めた『○×カップ』が年に2ー3回ありますが、勝っても負けても全員メダルがもらえます。練習試合もたくさんあり、日本のような『練習重視、固定スタメンへのチーム内競争、先輩後輩関係』というのとは全然違います。根性は養わないかもしれないけれど、精神衛生にはこちらの方がいいです。

  • ノルウェーには文房具屋はありません。(正確にはオフィス用品屋はありますが、これは最近のこと。)そのかわり本屋に文具が売っています。昔コンピュータなんかなかったころに育った旦那としては、文具=本屋ですから、日本でノートを本屋に買いに行ってしまっていました。来てみてその理由がわかりました。

  • ノルウェーでは狩猟は未だに盛んです。スポーツ用品店には必ずと言っていいほど、狩猟用品売り場があり、ライフル、弾丸その他すぐに手に入ります。でも、銃による殺人や人身事故はアメリカとは比べものにならないくらい少ないです。(人間なんかより他に撃って楽しい動物がたくさん裏山を歩いているから?)小学5年生くらいから銃の使い方の教室があって、始めることができます。(もちろん自由参加。)斧やのこぎりなどもふんだんに各家庭にあり、小刀も小さい頃から使わせます。刃物に慣れているのは日本人とうまが合います。

  • 子供がスキー教室で最初に習ってくることの一つは、吹雪いたときの対策。雪の穴を作って隠れるわけですが、屋根つき(横穴式、かまくらを作っている暇があるはずがないしそれは屋根が落ちるかもしれないので危険)、屋根無し(雪のかこいのようなもので風をさける、これは自分の座った大きさに合わせればいいので小さい子でも作れる)の二種類もあるんです。スキーキャンプにはシャベルは必需品とか。雪国での基本的サバイバル知識に感心しました。

  • 小学校3年生の長男いわく「ぼく、学校で勉強したいな。休み時間が一時間もあってあきちゃうし。」ちなみに、3年生でも(もちろん1年生でも)成績表なんてものはありませんでした。

  • Lutefisk 食べました。脅された程へんなものではありませんでした。魚の形も残って(!)いたし、何もかけないで食べるとお豆腐のような味でした。魚貝類で日本人を驚かせるのは難しいかも。

  • 修士の交換留学生のミクロのテストの採点を手伝いました。いいと思ったのは、2人で採点すること。だから丁寧に見られます。でも。。。おいおい、直角三角形の面積くらい正しく出してくれ!試験時間は5時間だぞ。あせってまちがえたわけではあるまい。ま、経済学科でなく戦略学科(それって何)だからなのか。それにヨーロッパ人でも英語がちゃんと書けない人いるじゃん。(でも留学当初の私よりはましかもしれません。。。。)慶応の学生さんは優秀だったんですね。

  • また小学校の話:教室に信号みたいのがあるらしい。赤のときはおしゃべり禁止、黄色のときはちょっとOK、緑のときには立って歩いたりもOKだそうで、これは授業でやることがなくなると出ると子供たちは申しております。規律厳しい日本の学校に戻れなくなると、他の日本人のお母さん方も言っていました。大学の教室にも赤信号を付けて欲しい。

  • こちらでは葉書というものは主流でないらしい。例えば、官製はがきは見たことがない。欧州外への手紙の最低料金とはがきの料金は同じで、はがきを出すメリットもない。(受け取る方もいちいちあけなくちゃいけないし、書く方もたくさん書かないとかっこうがつかないので、封書って私は疲れるんですが。)デジカメの写真を使って年賀状を作ろうと思ったが、なかなか葉書大のプォトペーパーが売っていない。デジカメの写真を通常の写真プリントにする紙はもちろんどこでも売っているけど。

  • 3年生の長男に久々に和食のお弁当をもたせてやったあとの、彼の話:まず、日本の弁当箱にみんなおどろいちゃって。2段重ねで、ふたの中にさらになんか入ってるでしょ。ふたからはしを出したら「その棒で何するの」って聞かれたんだぜ!だから「食べる」って答えたよ。のりを見て「その黒いの何」とも聞かれたよ。

  • 「君の机の上のあれ、何?ヒーター?」「。。。。これがマックというコンピューターです。」これを聞かれたのは文化学(?)の先生でしたが、経済の先生たちも「へーこれがマックかーー。かっこいいねーー」って初めて見る人が多かったです。

  • いよいよ恐ろしい(?)シーズンが近付いて来ました。それはクリスマス用の特別なメニューの数々です。和食は食べると死ぬことがあるというので有名ですが(おもちをのどにつまらせるとか、ふぐにあたるとか)、ノルウェーのある種の食品はそれを語るだけで顔をしかめるノルウェー人が多々いるというシロモノです。例えば、からからに干したタラを酸につけて戻し、味付けをしてぐちゃぐちゃの銀色のゼリーみたいにするというLutefiskとか、羊の頭とか。(大きさとか目玉を想像して下さい!)伝統的な食品が並ぶクリスマスにはそれらを食べるわけです。(酒の力を借りる人も多いらしいです。)

  • 鉄道の車両には、消火器の他に、斧とのこぎりが備え付けてある!なんか、すごくバイキング的。アメリカでこんなものがあったら、危険だとか騒いでやめさせるでしょうね。でも、何のためなのかな。。。などと思ったのは夏の間だけ。冬になったら疑問解消。ちょっと手袋を脱いで地面におくと凍ってしまってつけられなくなる(子供がやってしまった)くらいの寒さですから、鉄道も何かの理由で止まってしまったら車輪や窓が凍り付くので、斧とかで脱出する可能性がありました! Updated!

  • ノルウェーは「早い、お腹がすく」というかんじ。朝は8:30には仕事が始まり、お昼は11:30ー12:00が一般的。サンドイッチを家から持ってきて、さっと食べてさっさと仕事に戻る。それで、秘書とかは3:00にはもう帰ってしまう!夕方4:30を過ぎると大学の主なところのオートロックが閉まってしまい、これがメインの終業時刻らしい。夕御飯は5:30とか6:00らしい。夕飯だけが暖かいもの。でも夜9:00過ぎるとまたお腹がすいてくる。。。痩せている人は多いです。

  • こちらでも経済学科と金融学科(別れている)の先生は数学と論理でごりごりの堅物だと思われている。

  • 来ると毎回思うけど、なんて巨大な乳母車を使っているんだろう。鋼鉄製で10キロはあると思う。デザインも戦前みたいだ。

  • 街角に新聞の山が置いてある。後で配達の人が配るためらしい。だれも盗らない。さすが。

  • 日曜日は当然のごとく、お店はどこもやっていない。

  • カードを使って学生にゲームの答えを書かせようと思った。秘書に聞いたら小型の硬めの紙でできたブランクカードなんて聞いたことないそうだ。あれって日本独自のものだったのか?そう言えば京大式とかなっていたっけ。しょうがないから自分でコピー紙を切った。重厚長大のお国柄、コピー紙もけっこう分厚い。論文が厚ぼったく見えるのは不利だなー。

  • ちなみに、秘書というのは先生たちの雑用をする年輩の女性(がほとんど)です。学科ごとに一人いるようです。慶応にはこれに対応する職種はありません。雑用といっても文房具を買ってくれる(背後には予算関係の書類があるのでしょうが)とかセミナーの案内のメールを出してくれるとかセミナー後のレストランの予約をしておいてくれるとか、そんなことです。なんかお母さんみたいな仕事。(それより、TA and/or RAが欲しいよー。)

  • ときどき会う電車の女性車掌さん、本当にピッピにそっくり。わざとやっているのかも。

  • オスロの離婚率は50%らしい!

  • 小学校の算数は日本よりずっと遅いですが、おもしろいことに分数を早くから習います。等分するというのはとても大事な概念らしいです。

  • 現在の経済学科長は私と同じくらいの年の女性助教授です。慶応同様「長」の仕事は内部の選挙で決まるようで、別に誰も特にやりたい様子ではないです。ちなみに彼女はとても有能で、大学長からの評価も高いです。前回の会議はちょうど小学校の秋休みの時期だったせいか、彼女は小学校3年生の娘さんを連れてきていて、会議のときも脇に座らせていました。つまり、子連れ学部会議!良い子で一言もしゃべらず本を読んでいました。もちろん他の先生も当然のごとく、何も言いませんでした。他の職場でも子連れ出勤はめずらしくないようです。

  • 経済学科では、学科長と私の他には女性の先生は一人しかいないようです。大学全体でも少なくて、しかも先日初の女性教授が出たお祝をしていました。。。。

  • 男の先生のところに赤ちゃんが生まれました。学期の最中ですが、当然のように彼は2週間の休暇に入りました。(取ろうと思えばもっと取れます。)

    こまった話

  • 2003年12月

    やっと講義が終わりました。しかし、この学期中、ありとあらゆる講義で悩まされたのは「テキストについている練習問題の解答をくれ!」という(修士の)学生の大合唱でした。このようなことは今までなかったので、とまどいました。ちゃんと講義の中で、講義の進み方に合わせて私が問題を作って演習をやり、答えもその場で解説しているのですが。(ところが、講義中の演習は解こうともせず、ただ座っていて、私が答えを言うのを待っている学生が多数いました。)

    なぜテキストの練習問題に解答がついていないかというと、アメリカだったら宿題として出て採点されるので。そうでない国でも簡単には解答をあげられない理由があります。それは、『教科書』というのがあり、練習問題があり、すべての解答も手許にあったら、誰も講義に出なくてもいい、ということになりやすいからです。
    では、なぜ講義に出て欲しいかと言えば、(説明を聞いた方がわかりやすいというのはさておいても)、『教科書』と同じことを教えていない可能性があるからです。大学の先生は研究者としてそれぞれ一家言持っているわけですから、自分で書いた本でなければ、『教科書』と意見が合わないことはあります。(私は説明方法を変えたり、あちこち飛ばして、その他のトピックを入れたりします。)試験問題は先生が作るのであって、教科書の練習問題の部分集合ではないですから、そのためにも講義に出て先生の言いたいことを理解する必要があるわけです。しかし、この点を説明しようとしましたが、まったく理解されませんでした。

    結局、終わりの頃に、一部の練習問題について解答をあげました。それでも、「どうして最初からくれないんだ、どうして全部くれないんだ、タカコは不親切だ。」という意見があったようです。

    後から思えば、ビジネススクールは、大学というより予備校と考えた方がよかったのでしょう。学生が欲しいのは予備校の講師のような、勉強補佐サービスであって、修士号という資格を得るのが目的であり、先生の御高説なんてどうでもよかったのです。実際、練習問題集みたいなものを自分で書いて、それを『教科書』として、解き方中心の授業をしている先生がいて、そちらの方が人気があったのだと後で気が付きました。しかし、これでは『飛ぶ教室』の反対ではないか。。。

    というわけで、今回は私と学生それぞれの、相手に対する期待が噛み合わない、なかなか難しい状況でした。お互いに相手がわがままに見えてしまいます。講義や練習問題が難しすぎるというような口ぶりの院生もいて、なんで修士になってそういう態度なのかと思っていましたが、この学校が資格を売っているのであれば、そのような抗議もありえるかと思い至ります。(資格を得るための『値段』が高すぎるというわけです。)こちらは教育サービスを売っているつもりだったので、できる限り最先端のことまで教えてあげようとしたのですが。

    実は、他の多数の先生方も私と同じ意見ではあったのです。ただ、この学校はここ10年の間に組織変更があり、『大学』となることになり、本当の研究者を雇うようになったので、それまでの専門学校時代の『教師』の人たちがまだたくさん残っています。学生もどのような成果を期待して来るのかは、まだはっきりしていないようです。

  • 下に書いたミクロは必修だからしかたがないとして、選択科目でゲーム理論入門もやっています。そこで、-5q +(1-q)25 =(1-q)10 と書いて、(クイズ:何を計算していたのでしょう)答えは q=3/4 だと言ったら、授業の後で、あれはどうやって出るんだとしつこく質問にきた学生がありました。「移項するんだよ。」といったら「それはどうやってやるのかと聞いている。」っておいおい。 

  • 8月半ばから、既に新学期です。今年は修士(Master of Science)とMBAの両方で入門ミクロみたいのを教えさせられています。Master of Scienceの最初の授業でルートを微分したら、教室のあちらこちらでパニックが起こっているのがわかりました。そりゃ、経済学部出身でない人たちがいるのはわかってるけど、ビジネススクールの修士で限界費用とかクールノーモデルをやらないわけには。。。。案の定、学事センターみたいな所に抗議に行ったり、なんとか他の科目に変えてもらおうとしたりする学生がいました。ほんと、慶応のみなさんは優秀!よい子。 

  • 下よりもっとすごいことが起きました!国際宅配のD社。ウェブの本屋から本を買い、日本から送られることになりました。12月20日に日本から発送されました。ノルウェーの自宅に電話があって「今日は在宅ですか?」ときたのがなんと1月3日。その日一日待てど暮らせど配達は来ず。さらに数日待っても来ない。すると日本の書店から「配送に問題があるようです。D社と連絡を取って下さい。」とのメール。ちょうどこちらからも問い合わせをしようと思っていたところでした。D社のウェブ検索では家に何度もトライしたとなっているが、朝7時とか8時に来たとなっていて、その時間なら家におりました。つまりまちがった家に行っているのか?そこで、旦那が丁寧に家の形、まん中のドア、とかまで教えました。翌日一日待ってもまた来ない!この日は近所の人も家にいて、隣あたりの家に行ったのならわかるはずでした。しかもD社の電話番号はノルウェーではなくデンマークかスウェーデンのオフィスにしかかからない。また旦那に頼んで交渉。D社も問題は理解したようですが、配達員が何をしているのかわからないの一点張り。ついに旦那が切れて、「郵送しろ!」と命令しました。しかし、配達員がどこへ行ったのか、本当に行ったのか、真実は闇の中。それに郵便局だって遅いんです。本はいったいいつ私のところに来るのでしょう。。。(1月10日) 

    そもそも書店からD社と聞いた時点でいやな予感が。前に個人で東京からオスロに書類を送ったときも、F社なら東京ーパリーオスロ、くらいで着くのに、D社はかならず欧州内で2ケ所は経由するので、最低一日はF社より遅いことが判明していたのです。そのうえD社の方が高いんです。

    結局、さらに3日後の1月13日になって (郵便局ではなく)他社から電話があり、その翌日この会社は何の問題もなく、配達してくれました。いったいD社の問題は何だったのでしょうか。(クイズ:本が日本から私の手許に届くまで何日かかったでしょう?)

    ことの一部始終をウェブの書店に連絡したところ、送料は返してくれるそうです。でもF社にしたらと言ったら、そちらでかつてトラブルが多く、D社にしているとのこと。うーむ。日本の国内宅配、郵便事情のすばらしさを思いました。これを当然と思ってはいけないのですね。

  • 12月26日付けでEMSが日本から発送されました。ノルウェーの郵便配達は12月30日昼間に来たらしいのですが、仕事に行っていて受け取れませんでした。ところが、不在票はこちらではその場でおいていくのでなく、後日郵便で!届くんです。そういっても、31日と元旦は郵便は休み、結局不在票が来たのが1月2日、郵便局で受け取れたのが1月3日でした。そのころには通常の航空便も届きます。速達料金が無駄でした。。。 

  • 働いて給料をもらうためには、まず住民登録をして個人番号をもらいます。これが申し込みをするためだけに、丸1日くらい並びます。(ただしオスロ市内だけらしい。隣の郡では誰もいなかった。)その後番号が郵送されるのに、任意の日数を要します。つまり、1週間のときもあれば私のように3週間の時もある。。。これでいいのかと思ったら、さらに納税カードを申し込まなくてはならない。このことがわかったのは入国してから2ヶ月後でした。。。。

  • ま、サービスは期待しない。安くておしゃれな某家具屋。ずいぶん買い物しました。でも、配達は有料で高いし、庭にどさっと置いていくだけ。すべて組み立て式で、しかもパーツが足りなかったり、穴の位置がまちがっていたり。組み立ても、パーツが重いので辛い肉体労働です。

  • 物価は高いです。自動車、自転車、電気製品は輸入品だからでしょう。本が高いのは、ほとんどハードカバーだし、ノルウェー語を読める人口が少ないからそもそも多数印刷できないからでしょう。ではレストランが高いのは?人件費と、外食が贅沢品なのでしょう。東京生活に慣れてしまった私には外食が気軽にできないのはちょっと悲しい。でもこう寒くちゃ出歩く気にもならないか。(本日のオスロの気温)2003年は5月にも雪が降りました。

  • ここのITではマックはサポートしないとはっきり言われてしまった。