延近研究会 卒業論文概要
(第13期生)

慶應義塾大学経済学部  延近研究会卒業生の卒業論文の概要と主要参考文献です。
卒業論文とともに提出された本人作成の概要を
原文のまま掲載しています。

安部 雅隆

テーマ

地方大学の改革と地域経済活性化

概要

日本社会は少子高齢化や経済のグローバル化など、急激な社会情勢の変化に対応する必要性に迫られている。日本の大学組織もその例外ではない。今後大学間競争が激しさを増す中で、いったいどのような改革を断行すべきであるか。本論文ではそうした大学の改革のあり方を、地域経済活性化という側面から検証していく。そして地域に密着した大学作りこそ、大学サイドにとっても、地域経済にとっても有益であることを最終的に述べていく論文になっている。
主要参考文献 井村喜代子『現代日本経済論』、有斐閣、2000年
有本章、山本眞一『大学改革の現在』、東信堂、2003年
高崎経済大学付属産業研究所『大学と地域貢献』、日本経済評論社、2003年

石井 宏太郎

テーマ

自動車産業の構造転換

概要

自動車産業の歴史には大きな構造転換が3回あったと考えられる。自動車産業の歴史の中でどのような構造転換が起きたのかを考える。さらに今後この産業で構造転換が起きるかを検証する。
主要参考文献 アルフレッド・スローン『GMとともに』、ダイヤモンド社、1963年
下川浩一『世界自動車産業の興亡』、講談社現代新書、1992年

和泉 ちひろ

テーマ

日本の雇用の現状〜新卒無業、若年雇用の問題〜

概要

輪読書である現代日本経済論をもとに、戦後から現在に至る日本の雇用状況について、統計資料などをもとに現状の問題点を分析してゆく。
中でも主に新卒無業率やフリーターの増加、早期離職の増加など若年層の雇用問題を論点とした。
雇用自体の問題のみにとどまらず、現代日本の構造的な問題や、学校教育の問題、それらを踏まえた上での今後の日本社会のありかたについて言及した。
主要参考文献 井村喜代子 『現代日本経済論』 有斐閣 2001年
玄田有史 『ジョブクリエイション』 日本経済新聞社 2004年
大久保幸夫 編集 『新卒無業』 東洋経済新報社 2002年

小島 健一郎

テーマ

何が日本石油産業を変えていったのか―国際的石油情勢変化の影響と日本の国家政策―

概要

戦後の日本石油産業は様々な外的要因に影響されながら発展してきた。その中で、メジャーを中心とした国際石油資本やOPECが日本石油産業にどんな影響をもたらし、そして日本の石油政策にどのような影響を与えたのかを分析し、自由化後の日本石油企業のこれからを探っていく。
主要参考文献 井村喜代子 『現代日本経済論』有斐閣 2001年
渡辺昇 『よくわかる石油業界』日本実業出版社 2002年
井口祐男 『4極化した石油産業―新体制下の元売販売戦略』オイル・リポート社 2000年

杉井 良子

テーマ

都市再生

概要

近年盛んである都市再開発事業に関しての動向や現状を、都市が持つ役割を始め、日本の都市が辿ってきた道を、日本という国が辿ってきた道と合わせて考察した。さらに、都市再開発事業の目的を「都市の再生」と捉え、その全体像を考察し、日本の都市の現状や都市問題を考えつつ、日本経済との関係に即してその意義を論じた。
主要参考文献 井村喜代子 『現代日本経済論』 有斐閣 1993年
井熊均・辻和伸・石田直美 『都市再生プロジェクトを読む!』 オーエンス出版株式会社 2001年
辻村定次・大野隆男 『「都市再生」がまちを壊す 現場からの検証』 建設政策研究所 2004年

関谷 直人

テーマ

医薬品業界における日本と欧米の比較

概要

医薬品業界のグローバル化が進展する中で市場規模において世界第1位のアメリカと世界第2位の日本との比較を各国の知的財産戦略や薬事規制のグローバル化、ヒトゲノムの解読完了による創薬方法の変化に伴うバイオベンチャー企業育成の必要性といった観点から問題点を明らかにし、今後の展望を考察する。
主要参考文献 野田 健太郎 『ベンチャー育成論入門』, 大学教育出版, 2004年
井村 喜代子 『現代日本経済論(新版)』, 有斐閣, 2000年
野口 まこと 『よくわかる医薬品業界』, 日本実業出版社, 2004年

関屋 文彦

テーマ

日本鉄鋼業と対外膨張先としての中国市場

概要

現在中国は閉鎖的な経済体制から一転、人口約12億人の市場は開放され、GDPの急成長、輸入大国化などますます世界経済に対する影響を強めている。国民所得の上昇により家電製品・自動車等の生産・販売台数が上昇,それに伴って日本の高度な技術によって作られた鉄鋼製品に対する需要も大幅に増加してきた。これは一時的なものではなく,日本鉄鋼業にとって今後の中国市場は新たな広大な市場、成長するチャンスの場となりうるのか。このことを独占資本主義の理論を用いつつ分析していきます。
主要参考文献 早稲田大学商学部編『鉄鋼業のグローバリズム』中央経済社
十名直喜『日本型鉄鋼システム』同文館
一柳正紀『鉄鋼業界』教育社

長江 崇将

テーマ

ファッションの終焉

概要

オートクチュール,プレタポルテ,マスファッションなどシステムは様々な変化を遂げてきた。過去から現在に至るまでのあり方を考えるとモードを変化させることで市場を更新し続けることで新たな需要を作り出してきた。しかし現在に至ってその変化が止まった。新たらしいものを創造するという流れは,商業主義に飲み込まれ,従来型のファッションは終焉を迎えた。
主要参考文献 宮澤修身『ファッション産業論』創風社 2003年
テリー・エイギンス『ファッションデザイナー』文春文庫 2000年
日本貿易振興会『中国対外貿易統計』 1885年版,1990年版,1995年版,2000年版,2001年版,2002年版,2003年版 

福市 年成

テーマ

なぜアメリカは通商政策を変化させてきたのか

概要

アメリカの通商政策は時代とともに変化し、また強行なものへと変わっていく。そのアメリカ通商政策を「多角的通商政策」、「相互主義」、「地域主義」の三つの特徴と変遷を述べ、そして、アメリカが世界の自由貿易化のリーダーシップをとりながら、なぜ矛盾とも解釈できる保護主義的な通商政策を行うようになってきたのかを、経済的要因とアメリカ国内的要因・政治的要因から考察し明らかにする。
主要参考文献 井村喜代子 『現代日本経済論』 有斐閣 2000年
中本悟 『現代アメリカの通商政策』 有斐閣 1999年
横田茂編 『アメリカ経済学を学ぶ人のために』 世界思想社 2000年

堀田 佳秀

テーマ

日本的経営の新たな形

概要

第2次世界大戦以降、日本は焼け野原同然の状態から歴史史上類を見ない経済成長を達成した。その中で日本独特の経営システムは、1970年代、80年世界中に絶賛されることになった。しかし日米関係とバブルの崩壊によって90年代に失われた10年と言われる未曾有の大不況を体験することとなった。そこでなぜ日本的経営はそれまでうまく機能していたにもかかわらず、90年代において行き詰まり、見直しを迫られたのかという問題を取り上げる。また今後、日本的経営はどのように形を変えていくのかを考察する。
主要参考文献 井村 喜代子 『現代日本経済論』 有斐閣 2000年
深尾 光洋 『コーポレート・ガバナンス入門』 筑摩書房 1999年
ジェームス・C・アベグレン 『新・日本の経営』 日本経済新聞社 2004年

山口 功

テーマ

求められる日本広告ビジネスの変革

概要

インターネットの普及とそれに伴う消費者行動の変化や、広告主のビジネスにおけるグローバル展開の進行などにより、現在激震の真っ只中にある日本の広告業界において、旧来の経営形態と業界秩序を保持したままであったこれまでの日本広告ビジネスの在り方を踏まえながら、現在の広告ビジネスに内包される課題や、今後新たに構築すべき戦略とはどのようなものなのかを考えていく。
主要参考文献 梶祐輔『広告の迷走』(宣伝会議,2001年)
岸志津江・田中洋・嶋村和恵『現代広告論』(有斐閣アルマ,2000年)
小林保彦『広告ビジネスの構造と展開』(日系広告研究所,1998年)

山本 真澄

テーマ

確定拠出型年金はいかに発展するか

概要

現在少子・高齢化という人口構造の変化により公的年金の先行き不安が叫ばれている。そこで公的年金を補完する役割を持っている企業年金においても変革が求められている。その中で新しい企業年金制度である確定拠出型年金が注目を集めている。この論文では確定拠出型年金の特徴などをみつつ、今後どのような発展をしていくだろうかを考察する。
主要参考文献 井村喜代子『現代日本経済論』 有斐閣 2001年
中北徹『企業年金の未来 401kと日本経済の変革』 筑摩書房 2001年
伊藤雄一郎『年金術』 文春新書 2003年

吉田 一陽

テーマ

中心産業と株式市場

概要

戦後の日本経済の基盤となった鉄鋼業と、IT国家へ向かう日本の中心産業となるべき情報・通信業について、比較を行った。業種ごとの株式変化と経済全体に与える影響を、業種ごとの経済発展の背景や産業構造の違いなどから考察を行った。過去と現在の中心産業の経済に与える影響は違うであろうという観点からである。株式変化の考察には主に「ベータ値」という、個別銘柄のベンチマークに対する感応度を表す指標を用いた。
主要参考文献 井村喜代子『現代日本経済論〈新版〉』有斐閣 2001年
『証券分析』経済法令研究会 2004年
『経済白書』 経済企画庁

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