延近研究会 卒業論文概要
(第2期生)

慶應義塾大学経済学部  延近研究会卒業生の卒業論文の概要と主要参考文献です。
卒業論文とともに提出された本人作成の「テーマのねらい」を
原文のまま掲載しています。

潮田 真

テーマ

製造物責任の必要性

概要

アメリカとヨーロッパの製造物責任法を比べ,さらにそれに経済学的見地から効率性と公正性を加味し,日本の製造物責任法について考えてみた。
主要参考文献 宮沢健一『製造物責任の経済学』三峰書房,1982年

内田 仲

テーマ

日米貿易摩擦と日本の雇用

概要

日米貿易摩擦が日本の雇用に対してどのような影響を与えたのかについて,日米貿易摩擦を分野別の交渉の場合と全分野を対象にした米国の対日貿易赤字の解決を交渉の目的にした場合の2つのケースをとりあげて考えてみる。
主要参考文献 I.M.デスラー,佐藤英夫編『日米経済紛争の解明』日本経済新聞社,1983年
谷口茂他『激動する産業社会と企業』東信堂,1992年

遠藤 厚

テーマ

米の輸入自由化問題

概要

昨年,米の輸入自由化が決まり,日本の農業問題がクローズ・アップされた。現在の問題点を考え,それにいかに対処していくかを考えた。
主要参考文献 唯是康彦『食糧問題を考える』1990年
中西博之『米を追う』勁草書房,1984年
屋山太郎『コメ自由化革命』新潮社,1989年

小野澤 潤

テーマ

株式持合いの形成とその問題

概要

戦後,日本企業が飛躍的な成長を遂げる過程で株式持合いが果たした役割は大きいが,現在のような低成長の時代においてはさまざまな弊害を生み出すようになる。それは何故か。持合の形成と変化を振り返りながら分析する。
主要参考文献 奥村博『法人資本主義の構造』日本評論社,1975年
北原勇『現代資本主義における所有と決定』岩波書店,1984年
水口宏「日本大企業における「株式会社」の蘇生」(『財界観測』,1993年5月)

加藤 圭介

テーマ

日本の経済援助を考える

概要

わが国が戦後から現在まで行なってきた経済援助がどのような目的によって行なわれ,わが国の経済に対してどのような効果を与えたのかを政治的背景と関連づけて検証する。
主要参考文献 山本剛士『日本の経済援助』三省堂,1978年
小林英夫『戦後日本資本主義と東アジア経済圏』御茶ノ水書房,1983年
山沢逸平・平田章編『日本・アメリカ・ヨーロッパの開発援助政策』研究双書,1992年
小浜博久『ODAの経済学』日本評論社,1992年

川口 真澄

テーマ

土地の価格は需要と供給で決まるか

概要

土地を商品として市場で取引する際の価格決定メカニズムを探る。
主要参考文献 岩田規久男・小林重敬・福井秀夫『都市と土地の理論』ぎょうせい,1992年
建部義春『土地価格形成の理論』東洋経済新報社,1977年

榊原 崇

テーマ

日本自動車産業への一提案

概要

日本の自動車産業への提案を行なうことによって,日米貿易摩擦の解消と日本の自動車産業自身の成長を試みる。
主要参考文献 井村喜代子『現代日本経済論』有斐閣,1993年
島田克美『日本経済の摩擦と協調』有斐閣,1988年

佐野 憲一

テーマ

米国の衰退と不公正貿易―80年代,日本とのかかわりを中心として

概要

米国の経済力が低下するとともに,表面上は自由貿易かつ世界で最も開かれた市場を持つと主張する米国の貿易が,その主張と矛盾していくさまを,80年代を中心に考察する。
主要参考文献 ジェームス・ボバード『アメリカ貿易は公正か』
小宮隆太郎他『世界貿易体制』
井村喜代子『現代日本経済論』

玉越 泰昌

テーマ

海外石油自主開発と石油の安定供給

概要

石油資源の安定のために,日本がとってきた政策や民間事業を,主に海外自主開発の観点からとらえ,それが国際石油経済の構造から見て,どれほど「安定供給」に役立っているか。さらに将来の石油開発はどういう基盤に立ってどのような性格でもって成されるべきかをさぐる。
主要参考文献 『講座今日の日本資本主義』3巻,4巻
唐沢敬『石油と世界経済』
岩崎徹也『開発と石油の政治経済学』

永井 康嗣

テーマ

戦後国際通貨制度の史的展開@(1945-65)―基軸通貨国アメリカによる“無責任”な行動の出発点と継続の意味するもの―

概要

今日のいくつかの経済的混乱(問題)は,「変動相場制移行」に原点があり,さらにそれはシステムによる面よりも,その中のアメリカ政府・企業の“無責任な(自己中心的な)行動”に拠る面の方が強いという問題意識のもと,それがいつ始まり(出発点)どのような展開をするのかを明らかにする。
主要参考文献  

福井 康太

テーマ

情報化の流れの変化と展望

概要

情報産業自身の構造変化をはじめとした,大きな情報化の流れの変化をいろいろな視点から見て,その変化とそこに見られる課題を検証し,今後の情報化のあり方を考える。
主要参考文献 平田周『ソフトウェア・クライシス』NHK出版
小山田了三『情報史・情報学』東京電機大学出版局
日本情報処理開発協会『情報化白書1993』コンピュータエージ社

福岡 文子

テーマ

戦後日本の対外政策

概要

ゼミでは日米関係,特にアメリカ側の事情を軸に日米経済摩擦を学んだが,構造協議などで問題になる日本の制度・政策がどのような状況でつくられたのかを,戦後から70年代まで整理することで,日本の対外政策に対する姿勢と現在への影響を考える。
主要参考文献 鶴田俊正『戦後日本の産業政策』
植松忠博『日本の選択―国際国家への道』
大蔵省財政史室『昭和財政史17』

藤山 尚之

テーマ

日米建設摩擦問題

概要

日本市場の閉鎖性の象徴ともいえる建設市場において,米国との交渉がどのような形で行なわれてきたのか,また交渉は今後どのような方向へ向かっていくのかを考察する。
主要参考文献 中北徹,浦田秀次郎『なぜ市場開放が必要なのか』三田出版局
グレン・S・フクシマ『日米経済摩擦の政治学』朝日新聞社

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