独占資本主義論 定期試験情報
(2017年度)


試験問題と採点基準
春学期末  秋学期末
成績統計と講評
春学期末  秋学期末

《春学期末試験》

[問題]試験時間:50分,持込み可

(1) 次の1,2を,答案用紙の5行前後で簡潔に説明しなさい。

1. 最低必要資本量と資本の集中
2. プライス・リーダーシップ

(2) 競争的市場から独占的市場への移行メカニズムについて,資本蓄積の進展過程を説明しながら論じなさい。

[採点基準]

以下の内容がどの程度説明されているかによって採点します。絶対評価を基本としますが,相対評価を加味(全員の答案を読んだうえで採点基準・配点を変更)する可能性があります。

(1) 基本的な語句・概念の説明(各20点)

1. 個別資本が最大限の価値増殖を求めて競争的に行なう資本蓄積と生産力の向上が,最低必要資本量の増大と資本の集中をもたらすことの理解
1) 生産力向上による特別Mの獲得
2) 競争の強制による新生産方法の導入
3) 最低必要資本量の増大(生産力向上にともなう生産の大規模化)
4) 資本の集中(競争と信用)

2. 独占的市場における価格協調の形態としてのプライス・リーダーシップ

1) プライス・リーダー:価格設定・変更の先導的役割
2) 各企業が協調の利益と非協調の不利益を充分に認識
3) プライス・リーダーは部門内の最強・最大の企業

(2) 個別資本が最大限の価値増殖を求めて競争的に行なう資本蓄積と生産力の向上が,最低必要資本量の増大と資本の集積・集中の進展をもたらし,市場構造を変化させるメカニズム(60点)

1) 競争的市場−市場規模に比べて相対的に小規模で多数の競争者の存在
a) 生産量の調整による価格操作の可能性
b) 協定による生産調整の可能性
c) 参入可能性
個別資本は与えられた市場条件のもとで当面の自己の利潤最大化をめざす。
2) 資本蓄積の進展過程の特徴(生産力向上と資本蓄積の相互促進的進展)
a) 生産力向上による特別Mの獲得と販売量増大
b) 競争の強制による新生産方法の導入
3) 市場構造の変化
a) 最低必要資本量の増大(生産力向上にともなう生産の大規模化)
b) 資本の集積・集中(競争と信用)
4) 独占的市場構造−少数の巨大資本による協調と競争
a) 高い市場集中度(生産量調節による価格支配の可能性と部門内企業の利害の一致)
b) 高い参入障壁(参入抑制による長期的価格支配・利潤最大化)

《秋学期末試験》

[問題] 下のグラフは1960年から1971年までの日米の貿易収支を示したものである。また,日米間の貿易収支は1965年以降,日本の黒字基調となっている。このような変化の背景には,日米の製造業の国際競争力の逆転があると考えられる。実際,日本の製造業の生産性上昇率は,鉄鋼・電気機械・輸送機械などを中心として,60年代に約89%上昇したのに対して,アメリカの製造業の生産性上昇率は約7.9%の上昇にとどまった。
 このような1960年代の日米の製造業の国際競争力の逆転をもたらした要因について,次の(1),(2)の視点のどちらかを選択し,選択した視点から,この講義で説明されたことを基礎として説明しなさい。(試験時間:50分,持込み可)
(1) 独占企業の新生産方法の導入をともなう投資行動が日米の製造業の生産性上昇に与えた影響
(2) アメリカの冷戦・軍事戦略の実行が日米経済に与えた影響
 

[採点基準]

以下の内容がどの程度説明されているかによって採点します。絶対評価を基本としますが,相対評価を加味(全員の答案を読んだうえで採点基準・配点を変更)する可能性があります。

(1) 独占企業の新生産方法の導入をともなう投資行動の市場条件による違いの理論的説明とその理論の60年代の日米製造業への適用

1. 市場が停滞的な場合(30点)
(a) 独占企業の新生産方法導入は遅延
 1) 旧式設備の十分な償却後に導入
 2) 導入による生産能力増大と販路
(b) 導入の競争による強制作用::独占価格の維持=導入の強制力は弱い
2. 市場の大幅拡大の場合(30点)
(a) 新生産方法導入の遅延要因の消滅
 1) 旧式設備の残存価値;新投資によって導入可能であるから問題とならない
 2) 生産能力増大と販路;需要の大幅拡大により稼働率・価格低下なし
(b) 導入の促進:特別Mの長期・大量獲得と参入阻止
(c) 市場シェアの維持・拡大のための設備投資競争
3. 60年代の日米経済の状況と製造業の設備投資行動(40点)
(a) 日本:
 1) 高度成長により市場が大幅に拡大
 2) 外国技術による新生産方法導入をともなう設備投資競争
 3) 60年代後半には貿易収支黒字額の急増によって市場がさらに大幅に拡大
(b) アメリカ:
 1) 多国籍企業化によって本国での設備投資抑制
 2) 輸入増大による貿易収支黒字額の減少=市場拡大の抑制
 3) 市場拡大抑制下での新生産方法導入の遅延=国際競争力の低下

(2)1960年代までのアメリカの冷戦・軍事戦略の理解およびそれがアメリカ経済の相対的衰退をもたらし日本経済の高度成長を促進したメカニズム

1.アメリカの冷戦戦略の実行(30点)
(a) ニュー・ルック戦略:超先端軍需産業の創出・育成
(b) 柔軟反応戦略:対兵力戦略の採用・軍事技術の高度化の追及
(c) ベトナム戦争への本格介入
(d) アメリカ経済の軍事化
2.アメリカの在来産業の競争力低下(30点)
(a) アメリカ企業の多国籍化:背景としての封じ込め政策によるヨーロッパ経済の復興
(b) 60年代の景気刺激・成長持続政策とベトナム戦争→景気過熱→物価上昇
3.日本の経済復興と高度成長(40点)
(a) 朝鮮戦争:合理化投資による生産手段の国内生産体制の成立
(b) 高度成長前期:外国技術導入による設備投資競争
(c) ベトナム戦争:対米輸出の急増→対外膨張による設備投資競争
(d) アメリカ経済の相対的衰退と日本の国際競争力強化
[成績評価への質問について]
経済学部では,成績評価についての質問は所定の質問用紙に記入し学生部を通じて担当者に送付されることになっています。この方法以外での質問は受け付けられません。
質問の際には上記の採点基準を熟読し,自分の答案と比較して自己採点したうえで,それでも疑義がある場合のみ疑義の内容を詳しく記入して,所定の手続きをとってください。
なお,採点は採点基準に従って答案を複数回読み直して厳密に行なっています。講義を担当するようになって以来,今までに学生からの質問によって成績評価を変更したことは1度もありません。「ダメもと」で質問しても無駄ですので,念のため

[成績統計]

採点と成績集計が終わりましたので,成績統計と講評を掲載しました。(1/28)
第1表 受験者総数に占める各評語の割合
3年 4年 合計
17年 16年 15年 17年 16年 15年 17年 16年 15年
S* 4.3 2.3 4.0
A 8.6 14.9 44.7 2.3 7.7 12.5 7.5 13.8 39.1
B 33.0 22.4 21.1 16.3 7.7 50.0 30.2 20.0 26.1
C 37.3 43.3 26.3 53.5 46.2 25.0 40.1 43.8 26.1
D 16.7 19.4 7.9 25.6 38.5 12.5 18.3 22.5 8.7
受験者 209 67 38 43 13 8 252 80 46
欠席率 4.6 9.5 25.5 56.1 31.6 50.0 20.5 14.0 31.3
履修者 219 74 51 98 19 16 317 93 67
*S評価は2017年度からの新しい評価。
第2表 得点状況
最高点 最低点 平均点
3年 4年 3年 4年 3年 4年 全体
95 86 4 11 56.3 46.3 53.8
90 75 0 10 48.9 41.9 47.7
合計
(昨年度)
175
(160)
161
(150)
28
(2)
31
(33)
105.4
(93.3)
88.4
(80.2)
102.5
(91.1)
満点は春・秋ともに100点。

第3表 レポート提出回数と評価別の平均点
提出回数 8-7 6-5 4-3 2-0
平均点 125.4 115.7 100.4 85.8
レポート評価 A B C D
平均点 138.7 126.5 107.7 85.7
 第1図 総合得点分布*(各得点階層が受験者総数に占める割合)
 第2図 秋学期得点分布 
 第3図 問題別得点分布(1)
第4図 問題別得点分布(2)
 
第1表の各評語の割合を見ると,3年生のS評価とA評価の合計の割合は12.9%D評価15.3%で,出題時の成績の想定では,S+Aが20%,Dは15%であったので,S+Aは想定をかなり下回り,Dはほぼ想定どおりでした。なお,4年生は欠席者が5割強で,D評価が約28%という成績の悪さは例年通りですが,少数であっても水準の高い答案もありました。

なお,D評価は授業内レポートの提出回数がゼロが多数を占め,提出回数が数回の学生も期限後提出が多く,レポートの得点が10点未満でした。

S+Aが少ない一方で,B評価は33%と前年より増加しています。これは,第2表で示した平均点が春学期に比べて秋学期が約7点低くなったことによると考えられます。
この平均点低下の主因は,第3図と第4図から読み取れるように,視点(1)を選択した学生の得点が低かったことにあります。

採点基準にあるように,視点(1)は,(a)独占企業の新生産方法の導入をともなう投資行動を市場が停滞的な場合と大幅に拡大する場合とに分けて説明したうえで,その理論を(b)1960年代の日米の生産性上昇率の違いに適用して説明することを求める問題です。

独占企業の投資行動は授業内レポートの課題5で出題し,日米の生産性上昇率の違いは授業で解説するとともに,教科書のコラム7-3で説明されていますから,両者を組み合わせて解答すれば,応用問題とはいえそれほど難問ではなかったはずです。
にもかかわらず,3年生で30〜40点が最頻値となっているのは,(a)だけを記述し,(b)については結論だけを記述し,特に日本経済の高度成長についてなにも言及していないか,逆に(b)についてコラムの文章の丸写しだけの答案が多かったせいです。

春学期の点数がある程度高ければ,(a)と(b)を結びつけて記述すればA評価以上となったのに,片方だけの記述のためにBまたはC評価となったと思われます。

視点(2)の方は,アメリカの冷戦戦略の実行が経済の軍事化をもたらして在来産業の生産性上昇を鈍化させたこと,日本経済については,冷戦の「熱戦化」としての朝鮮戦争とベトナム戦争が,新生産方法導入や新生産部門の形成を促して,経済復興と高度成長の重要な要因となったことの説明を求めています。
内容的には課題8のIMF=ドル体制のレポートと重なるため,この視点(2)を選択した答案の平均点は高くなっています。第4図が示すように最頻値は60点前後です。
ただし,日米経済の生産性上昇率の逆転を導くためには,課題8のアメリカの冷戦戦略と経済の軍事化だけでなく,課題7の新生産部門形成投資にも言及する必要があります。
しかし,課題8の論述ポイントと重なることだけに注目し,IMF=ドル体制の特徴や崩壊の経緯を長々と記述し,日本経済の高度成長メカニズムには言及していない答案も目立ちました
これも,S+Aが想定よりも少なく,B評価が増加した要因と思われます。

いずれも,ふだん授業に出席せず,レポートも提出していない学生が,持込み可の試験ということで,教科書や講義資料,人の書いたレポートを用意したけれど,それらをほとんど読まず,あるいは読んでも理解できるほど勉強せずに,試験に臨んだということが原因でしょう

最後に,毎年の講評で記していることですが,第3表が示すように レポート提出回数の多少とレポート評価の高低が,平均点の高低に明確に反映されています。両者の正の相関は非常に高いのです。
授業内容の理解や教科書トの内容を理解するための,そして試験で高得点をとるもっとも効率的な方法は,授業への出席は言うまでもなく,自分の力による授業内レポートの作成・提出であることが明らかです。
秋学期の試験のような応用問題の場合,講義資料や教科書の内容が理解不充分のままでは,持込み可の試験であっても,試験会場で答案を作成することは困難であること,理解が充分であれば持込み可によって的外れの答案を書くことはありえないことも明らかでしょう。

春学期末試験での私の講評を生かせなかった学生が少なくなかったことが残念です

春学期

第1表 受験者総数に占める各評語の割合
(春学期の成績のみで評価した場合)
3年 4年 合計
17年 16年 15年 17年 16年 15年 17年 16年 15年
S* 4.7 0.0 3.5
A 16.0 14.1 32.5 5.8 5.9 25.0 17.0 12.5 30.8
B 32.9 18.3 27.5 17.4 5.9 0.0 29.1 15.9 21.2
C 33.8 39.4 20.0 55.1 29.4 33.3 39.0 37.5 23.1
D 12.7 28.2 20.0 21.7 58.8 41.7 14.9 34.1 25.0
受験者 213 71 40 69 17 12 282 88 52
欠席率 4.5 5.3 21.6 30.3 10.5 25.0 12.4 6.4 22.4
履修者 223 75 51 99 19 16 322 94 67
*S評価は2017年度からの新しい評価。
第2表 得点状況
最高点(最低点) 平均点
3年 4年 3年 4年 全体
(1) 40(0) 38(2) 63.6 57.7 62.1
1 20(0) 20(2) 64.1 56.5 62.2
2 20(0) 20(0) 63.1 58.8 62.1
(2) 60(0) 50(0) 51.2 38.9 48.2
合計
[昨年度]
95(4)
[83(2)]
86(11)
[75(0)]
56.1
[43.7]
46.4
[34.5]
53.8
[41.9]
問題別の平均点は各問の満点に対する%。
 第1図 得点分布*(各得点階層が受験者総数に占める割合)
 第2図 問題別得点分布(1) 
 第3図 問題別得点分布(2)  第3表 レポート提出回数と評価別の平均点
提出回数 4 3 2 1-0
平均点 64.4 60.6 62.4 45.8
レポート評価 A B C D
平均点 76.2 65.7 60.4 47.5
第1表の各評語の割合を見ると,S評価とA評価の合計の割合約20%,D評価12.7%で,出題時の成績の想定では,S+Aが25%,Dは10%であったので,S+Aは想定をやや下回り,Dは想定をやや上回った。
問題(1)の平均点は6割を超えているので,高得点が想定より少なく,低得点が想定より上回った原因は,平均点が5割を切った問題(2)にあるといえるでしょう。

(2)は競争的市場から独占的市場への移行のメカニズムという,ごく基本的な問題であり,レポート課題2そのままなので,持込み可の試験としては平均点5割以下というのは低レベルと言わざるを得ません。

その最大の原因は,ふだん授業に出席せず,レポートも提出していない学生が,持込み可の試験ということで,教科書や講義資料,人の書いたレポートを用意したけれど,それらをほとんど読まず,あるいは読んでも理解できるほど勉強せずに,試験に臨んだということです。
答案を読むと,このことが明白です。いくつか例を挙げておきましょう。

(a) 問題で要求されているのは,競争的市場から独占的市場への移行のメカニズムなのですから,採点基準にあるように,競争的市場と独占的市場の構造の違い,特徴を書くのは不可欠です。
しかし,レポート提出ゼロの学生の答案のほとんどが競争的市場の特徴に言及していませんでした。これを書かなければ,なぜ個別資本家が生産力の向上による特別剰余価値の獲得競争を行なうのかを説得力をもって説明することはできません。

また,特別剰余価値獲得のための新生産方法の率先的導入競争や,新生産方法の普及にともなってマイナスの特別剰余価値が増大しやがて競争は損失や倒産を免れるために導入を強制される競争に転化していくことに言及していない答案も目立ちました。これでは,生産力の急速な発展が生産の大規模化をともない,したがって最低必要資本量の増大から資本の集積・集中が進んで,市場構造が変化していくことも,説得力を持って説明できません

(b) 市場構造の変化を書くことを求められていることはわかった学生が,教科書の該当部分と判断した文章をそのまま抜き書きしている答案も目立ちました。教科書97ページの「市場構造の変化」の部分ですが,冒頭に「生産力の向上は生産の大規模化,・・・一般的傾向であった」という文章があります。「・・・であった」という表現は,このページ以前にその内容が書かれていたことを示しています。
しかし,その前の内容を書かずに,そのまま答案に抜き書きして「であった」はおかしいでしょう。これさえ書けばいいんだと思い込んで,内容を理解せずに「写しているだけ」なのが明白です。当然,競争的市場の特徴も特別剰余価値をめぐる競争にも言及がありません。

実は,問題の「資本蓄積の進展過程を説明しながら論じなさい」という部分は解答のためのヒントなのです。教科書92ページに「資本蓄積の進展過程の特徴」という部分があります。そこで特別剰余価値をめざす新生産方法の導入競争に言及があり,さらに61ページまでさかのぼると,この競争の詳しいメカニズムの説明があります。もちろん講義資料にも要点が記されています。
ただ「写す」のでなく,理解しようとする姿勢があれば,そこまでさかのぼって答案を書くことができたはずです。

(c) 市場構造の変化の説明のために景気循環のメカニズムを説明しようとしている答案もいくつかありました。景気循環は秋学期の範囲ですから試験範囲外ですし,試験会場で付け焼刃で教科書を読んだだけで,きちんとした説明が書けるわけもありません。152ページの記述を抜き書きしても,移行のメカニズムとしてはまったく不充分なのですが,そのことにも気づかなかったのでしょう。

(d) 誰かのレポートのコピーをもらって試験場に持ち込んで,それをそのまま鵜呑みにして写したという答案も少なくありませんでした。
典型的なのが,「現代の企業の行動目的」から始まって,競争的市場の特徴を書き,特別剰余価値のメカニズムに続けるというものです。「行動目的」は問題の要求ではありませんが,論理展開自体は悪くありません。

問題は中身です。競争的市場の特徴として,採点基準の1)のa〜c,つまり価格操作の可能性,協定の可能性,参入の可能性を列挙した後に「がある。したがって個別資本はプライステイカーである」としています。価格操作の可能性があるなら,「プライステイカー」ではありえません。内容を理解していないことがこれだけで明らかです。
さらにそのあとに(利潤を増やすためには)「元値を低下させるしかない」と続きます。「元値」は通常は「仕入れ値」を指します。私は授業でも教科書でも「費用を低下させるしかない」と表現しています。

この論理矛盾と特異な表現をそのまま使った答案が10枚以上ありました。初めはカンニングか?と疑ったのですが,教室内の離れた場所や別の教室の答案もあったので,「模範解答」としてコピーが出回ったのだろうと判断しました。提出されたレポートを検索してみると,出所もわかりました。その学生の答案では価格操作の可能性の部分は改善されていたのが「皮肉」ですが。

ともかく,持込み資料を集めただけでなく,それらを読んで理解する努力をしていれば,こうした内容の無理解を露呈する答案にはならなかったでしょう。

実は,持込み可としているのは,4年生が就職活動で授業を欠席がちになることを考慮して,定期試験受験のハードルを下げ,試験勉強で教科書や講義資料,過去問を学習することで,この科目の学習意欲を持ってもらいたいという狙いがあります。
実際,答案に書かれた感想で複数の学生が教科書を読んで興味を持ったという感想を書いていました。その気持ちを忘れずに,秋学期は授業に出席し,講義資料と教科書を参考にしてレポートを提出する努力をしてもらいたいものです。それが単位取得はもちろん,現代経済の理解を深めて,社会に出てからも何かの役に立つと思います。もちろん,これは3年生にも通用することです。


第3表のレポート評価と平均点のきれいな相関関係が,レポート提出とそのための勉強の重要性をはっきりと示しています。逆に提出回数と平均点の相関が弱いことは,内容をともなわなくてはレポートを出すことの意義は小さくなることも示しています。

秋学期の授業内容は,春学期の内容の理解を前提として,独占資本主義のよりダイナミックな運動を取り扱います。春学期末試験で手ごたえを感じた学生は引き続きの努力を!失敗したと感じた学生は,授業への出席と教科書の読み込み,授業内レポートの提出を心がけてください。就活で出席が困難だった4年生を含めて,授業内容の理解と単位取得のためには,今からでも遅くありません

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