学生による授業評価
マルクス経済学 II
2003年度 秋学期


アンケート内容と集計結果(春学期との比較)

実施日:2004年1月13日
回答数:73人(履修者の38.0%)。矛盾した回答や記述など真摯な記入でないものも数枚あったが,そのまま集計した。
青字はコメント(春と秋との比較など)

*匿名アンケート形式の「学生による授業評価」には意義とともに限界もあります。この点については,「学生による授業評価」の意義と限界もご覧ください。

学生による授業評価
*匿名ですので正直に答えてください。
*自分の感想に近い数字に○を付け,理由や特記事項があればその下に記入してください。
(1)授業内容について
(a) 興味や関心 1.非常に持てた 2.やや持てた 3.あまり持てなかった 4.まったく持てなかった
(b) 難易度 1.非常に易しい 2.やや易しい 3.ちょうど良い 4.やや難しい 5.非常に難しい
(c) 自分の理解度 1.よく理解できた 2.だいたい理解できた 3.あまり理解できなかった 4.理解できなかった
(a)興味や関心については,「やや持てた」という肯定的な回答が増加し,「非常に持てた」と「まったく持てなかった」という両極端の回答は減少した。

(b)難易度については,「ちょうど良い」と「やや難しい」とした回答がやや増加。
「易しい」と「非常に難しい」はやや減少。
それでも7割程度が「難しい」と感じている。

ただし,(c)自分の理解度では,6割強が「だいたい理解できた」と感じている。
この傾向は,春と秋とであまり変化はない。
(2)授業方法について,次の各項目は勉強する上で役に立ちましたか?
(a) OHP等 1.非常に役に立った 2.やや役に立った 3.あまり役に立たなかった 4.まったく役に立たなかった
(b) 板書
(c) ウェブサイト
(d) 課題レポート
(a)プロジェクターについては,春では9割弱,秋ではほとんどの学生が「役に立った」と回答している。

(b)板書については,ほぼ変化がなく,8割程度が「役に立った」という回答。

(c)ウェブサイトの利用について,6割近くの「非常に役に立った」を含めて,9割前後が「役に立った」という評価。

(d)課題レポートについて,春では約9割,秋ではほとんどの学生が「役に立った」という評価。(4)の(b)レポート提出率では,70%以上の提出率は8〜9割であるが,未提出でも学習のための指針として役立ったものと思われる。
(3)教員の講義への取り組み方について
(a) 話し方 1.非常にわかりやすい 2.ややわかりやすい 3.ややわかりにくい 4.非常にわかりにくい
(b) 解説(例示など)
(c) 教育への熱意 1.非常に感じた 2.やや感じた 3.あまり感じなかった 4.まったく感じなかった
(d) 成績評価方法 1.非常に厳しい 2.やや厳しい 3.妥当 4.やや甘い 5.非常に甘い
(a)話し方について,「わかりやすい」という評価は5割台。(b)例示などの解説では,6〜7割。
個々のアンケートを見ると,(1)の興味・関心や難易度で否定的な評価の学生で「わかりにくい」という評価が多くなっている。今後の検討課題・反省材料である。

(c)教育への熱意では,9割前後が「感じた」という評価をしてくれている。

(d)成績評価では,「妥当」が,春3割,秋5割強,残りが「厳しい」という感想。春の成績はまだ通知されていないので,この変化は履修者数減少・出席者のうち意欲を持った学生の比率の上昇によると思われる。

(4)あなた自身の授業への取り組み方について
(a) 出席率 1.90%以上 2.70〜80%台 3.50〜60%台 4.30〜40%台 5.30%未満
(b) レポート提出率
(c) 予習や復習 1.よく努力した 2.やや努力した 3.あまり努力しなかった 4.まったく努力しなかった
(a)出席率は,90%以上が約8割,70%以上では9割以上となっている。常時出席している学生とほとんど出席しない学生とに2極分解していることがうかがわれる。

(b)レポート提出率でも同様の傾向だが,70%以上の提出者は8割台に低下。アンケート実施日がレポート提出日であったことを考えると,出席はしてもレポートは提出しない学生が1割程度存在していると思われる。

(c)予習・復習の努力についての自己評価はかなり低い。「努力した」が6割前後あるのは,まだ良い方なのかもしれないが。
これは,レポートや講義資料の事前ダウンロードに負うところ大ではないだろうか。
(5)全体的な満足度
(a) この授業に対して 1.非常に満足 2.やや満足 3.どちらでもない 4.やや不満 5.非常に不満
(b) 他の授業と比較して
(c) この授業の履修を他の人にも勧めますか? 1.強く勧める 2.どちらかといえば勧める 3.あまり勧めない 4.まったく勧めない
(a)この授業に対する満足度は,「満足」という評価が,春6割,秋7割弱と上昇。

(b)他の授業と比較した満足度でも,若干比率は下がるが同様の傾向。

(c)他人に履修を勧めるか否かでは9割近くが「勧める」と評価。

これらは(1)の興味・関心と理解度と相関していると考えられる。
ただ,難易度の高さにもかかわらず,満足度や推薦度の肯定的評価の比率がより高いことを考えると,下の(6)の1〜7,(7)の1〜4の記述内容にあるように,難しく感じるが努力すればそれなりの成果が上がり,満足度も高くなる,と受け取る学生が多かったのではないだろうか。
(6)その他:自由に書いてください。

(1)〜(5)の項目のみに関する記述は除いて集計。
具体的な記述内容は下の表を見てください。

(6)の記述項目と記述内容

(1)〜(5)の各項目に特記事項として記入されたものも掲載。原則として原文のままで,( )内は内容の理解のため,わたしが補足しました。
*の青字はわたしのリプライまたはコメントです。
記述項目 記述内容
1 全般 1-b春より理解しやすかった。1-c今の段階ではまだ理解が不十分な点も多々・・・。2-a少し今回の後半はノートがとりにくかった。3-c勉強しがいのある授業だと感じました。先生の授業への姿勢はスゴイです。6もう少しテキストとはちがう先生の言葉で説明がききたかったです!
2 全般 難易度は高いと思ったが,説明やレジュメも理論立ててあって,わかりやすいと思う。
3 全般 授業のスタイルが確立されてたところがよかった。
4 全般 真剣に受けて,しっかりやれば理解もでき,テストもできるというこの講義はとてもやりがいのあるものでした。ただ最後の方は時間の関係でしょうか,かなり駆け足になってしまってついていけず,大変でした。
5 全般 授業もわかりやすく非常に興味をもって授業を受けることができました。毎回楽しみで全て出席しました。けれど,後半から講義のスピードがかなり早くなってしまい,ややわかりにくい部分があったのが残念でした。OHPは先生がもっているのと同じのにしてもらえると話を聞きながらノートをとることができてよかったと思う。(メモが追いつかなくなってしまうことがあったので・・・)
6 全般 レポートは復習という意味でとにかく役に立った。説明もわかりやすかったので,授業に出席できればレポートもできるし,授業も楽しめた。レジュメを毎週ダウンロードして印刷するのが大変だった。説明が速すぎて,理解しながらノートにメモしていくのが困難なときがあった。
7 全般 自分は留年生ですが,別の先生の昨年のマルクスとはまったく違い,自分にとって大きなプラスになりました。内容はだんだん難化しましたが,何とか自分なりに理解に努めたつもりです。あと,OHPに追いつかない時があったので,HPのノートの穴を少なくするか,授業の速度を調整するかしてもらえると,よりよくなると思います。1年間ありがとうございました。課題不提出の分,試験頑張ります。
8 理解度 非があるとすれば自分自身に全部ある気がします。普段聞きなれない経済用語ばかりで最初から順を追って聞いていないと全く理解できなかった。
9 興味,OHP 経済学で興味が持てたいくつかの1つだった。字が小さく光のかげんで見えないことが多少あった。
10 興味 ありがとうございました。関心はけっこうもてました。
11 興味 1年通じて履修してみて,少し興味が持てたと思います。ただやはり自分には少し難しい気がしました。
12 板書 話すのが速いので,もっとたくさん書いてほしい。
13 講義資料 プリントがよかった。穴がほどよく空いているのは大正解です。
14 レポート 課題解説がわかりにくいので,もう少し文章にして説明してください。
15 レポート 課題の模範解答が欲しかったですね。論理展開とか参考にしたかったという点でも。1年間ありがとうございました。
*14に対して。課題は授業で説明した重要部分ですから,解説では論じるべきポイントを箇条書きにして,その内容は口頭で説明しています。ノートやテキストで再確認してください。

*15に対して。模範解答の要望については,学習のための課題のページやFAQのページに書いていますが,その骨子は次のとおりです。

問題はあるテーマに関して論じる場合,模範解答というのはありません。いろいろな論じ方があるからです。さらに,模範解答として文章を提示すると,学生はそれを丸暗記すればよいと受け取るのではないでしょうか?自分で考えながら文章にまとめる努力をすることが,本当の理解につながり,また論理的な文章を書くトレーニングになると思います。

なお,わたしの自由研究セミナーでは少人数でそうしたトレーニングをしています。
16 レポート レポートが内容の理解に役に立ちました。
17 レポート レポートがあることで,こまめに理解する機会がふえる。→テスト前一気にやるよりよい!!
18 レポート レポートを受けとってほしかった。
*18に対して。秋学期は期限後の提出を認めて受け取っていましたが?これだけではあなたの言いたいことが伝わりませんよ。
19 進度,OHP ペースアップすると理解がついていけない。OHPと資料がちがうと書くべきところがどこかまよう。
20 進度 話し方が聞き取りにくかったり,OHPのプリントを変えるのが早かったりした時があって,少しこまりました。
21 進度 授業進度がやや速く,ペースをつかむのに苦労した感があります。
22 進度 秋学期のはじめ,休講がつづき,授業数が少ないので,さいごのほう,あせって進めていてわかりにくかった。
23 進度 後半になって内容が難しくなってきたにも関わらず,授業の速度がはやくなったことで,理解しにくいところが多々あった。内容を終わらせるより,そこまでの過程をきちんと理解する方が大切だと思う。
*22,23に対して。10月はじめに体調を崩して2回休講にしてしまいました。すみません。ただ,講義内容は一部省略し昨年度と進度はあまり変わらないのですが。アンケートでなく,その日の授業のあとで質問や要望をしに来てくれると対応できるんですけどね。
24 講義方法,理解度 前期より(板書が)大きくなり,(話し方も)聞き取りやすくなった。先生のマルクス経済学は経済原論より分かりやすかった。でも時々複雑すぎて分からなかったこともあったけど。面白かった。
25 解説 抽象的な話を現実問題にてらしあわせて理解しやすかった。
26 解説 図の使い方をもっと改善されたほうが良いと思います。
*26に対して。どういう図のことなんでしょうか?これだけではどうもわかりません。
27 人への推薦 人によって求める厳しさは異なると思うから,(どちらかといえば勧める)。
28 その他 超むずいし,せんせいマジありえないし *大学2年生の文でこういう表現は初めて見ました。わたしには理解不能です。
29 その他 後半になるにつれ,難しくなってきた。レジュメと授業との格差がある気がする。教科書を中心にやるのか,授業中心なのかはっきりしてほしい。
*29に対して。レジュメやプロジェクターは,わたしの講義ノートの要約ですので「格差」はないはずなんですが。教科書中心か授業中心かといえば,もちろん両方とも大事なんですが,授業だけでも理解可能なように講義をしているつもりです。
30 その他 女性に対する甘さがなくなってよかったと思います。しかし先生は話を聞きながら板書をとれと言いますが,板書をとるための時間がない。先生が説明のときには説明をきけとおっしゃるなら,板書のための時間をきちんと設けてほしい。
*30に対して。前半部分は春学期分のコメントに書きました。後半部分は,答案に書かれた感想への回答としてQ&Aのページに書きましたが,答案に書かれた感想と重なる部分があるので,次の(7)を見てください。
31 その他 先生はいい人だなあと思いました。
32 その他 経済をあと2年学ぶ上で,非常に役立つ分野だと思いますので,先生の資料を今後も活用していきたいと思っています!!
33 その他 先生は優しすぎると思います。もっと私語をしてる学生にペナルティーを与えてほしかった。

(7)答案に書かれた感想や要望

定期試験の問題の末尾に「時間に余裕があれば,授業や試験問題に対する感想・批判などを書いてください。今後の参考にします。」と書いています。
今回も10名ほどの人が書いてくれていました。上記のアンケートとも関係するので,いくつかを紹介しておきます。
記述項目 記述内容
1 全般 マルクス経済学は頭をつかって理論をしっかりたててゆく,難しい学問だと思った。
でも,こんな風に分析できるマルクスはスゴイし,資本主義のけいたいが良く分かった。
言葉が難しくて,理解が完全に及ばなかったところはあったけど,自分のできる範囲で理解しました。
2 全般 テストのできもそれなりに満足いくものでした。先生の講義はちゃんとやれば必ず結果が出るものなので,難しいですがとてもやりがいのあるものでした。
また,レポートの制度はかなりよいと思います。講義→レポート→テストと一体となったよい講義でした。1年間ありがとうございました。
3 全般 1年間で一番勉強すると楽しい授業だったのでゼミも考えている。履修してよかったと思えた授業だった。勉強しやすかったのは,レジュメと本が分かりやすく合致していたからだと思う。1年間ありがとうございました。
4 興味 1年間本当にありがとうございました。後期に入って授業がとてもおもしろく(前期はあまり興味をもてなかったのですが・・・すみません),毎回聞き入ってました。
先生の熱意はとてもすばらしく感じられ,1番充実した90分を毎回過ごさせていただきました。(おわったら疲れますが・・・)
本当に  ありがとうございました!
*1〜4に対して。こういう感想に接すると,やはりうれしいです。昨年度まで,感想で授業をほめてある答案はあまり出来の良くないものが少なくなかったんですが,今回は答案の内容も努力の跡がうかがえて,よく出来ていたように思います。
5 講義資料 先生は授業で丸うつしではなく,理解せよ,と言われますが,それはなかなか難しいです。
まず,一発で話をきいて理解できれば苦労はしません。それであとで理解するためにはノートが必要です。先生がもし,話をきいていない,と感じられるなら,それは書き写す量が多いためで,又ノートに説明が少ないせいだと思います。(よくまとまってますが)。
学生としては,とりあえず分からないでもノートをとっておいて,あとで参考書でもみて理解しようとするのは,かなり合理的です。
*ノートの話や書き写す分量などのことは,Q&AのページのNo.11に対する回答(アクセス制限のあるページですので,このページの末尾に再録)ですでに書いています。
ですから「かなり合理的」という部分について。

「あとで参考書でもみて理解しよう」というのが,試験直前だとしたら,No.13の質問者のように「授業中におっしゃっていたと思うのですが思い出せなくて」ということになる可能性大では?
これは合理的ではないですよね。

試験直前ではなく講義のすぐあと,つまり復習としてなら,それだけの意欲があるのなら,講義の前にテキストと講義資料に目を通して,次の講義内容についておおよその理解をし,講義でその確認をしながら理解を深める努力をした方がよほど「合理的」だと思うのですが・・・。
どちらが合理的と考えるかはみなさんしだいですが。
6 講義資料 レジュメの事前公開のおかげで,ノートを取るだけでなく,講義そのものを集中して聞けたのでよかったです。ただ,授業が淡々と進んでいくので,途中で分からなくなって混乱していると,その間に更に分からなくなっていてつらかったです。
後期も,具体例など時々出てきたので,それが理解を助けてくれました。一年間ありがとうございました。
7 レポート マルクス経済学は使っている言葉が難しく,理解することが困難でした。課題については与えられた問題文が漠然としていてどこからどこまでを書けばよいのかわからないことが度々ありました。
8 その他 履修してよかったと感謝しています。しかし中途の2回の休講はかなり大きな損失だったと思います。

Q&A No.11とわたしの回答

No.11

「生徒からのコメント」の中の「(2),(6) 全体,手段」の項目で「重要なポイントが何か,非常に分かりにくい。レジュメの空欄は空いてない方が予習し易いし,授業で先生の話に集中できて良い。」という生徒がいるとのことでした。そして先生の返答は「*この学生はレポート提出90%以上とのことです。レポート課題とその解説が重要なポイントで,そのことは第1回目の授業でもウェブページでも説明しているんですが…。」とありました。

私が考えるに、この生徒の言わんとすることは「各時間内で授業を受けている際、先生がどこに力を入れていらっしゃるのかが分からない」と言うことだと思います。確かに先生は課題を出して下さるので、後から「あの辺りがポイントだったのかな?」と推測することが出来ます。しかし課題が出されるまでは、授業のポイントが何なのか、皆目検討もつかない学生も多々いるのだと思います。

これは他の受講者の人が言っていたことですが、「課題が出て内容のおさらいが出来ていい。しかし、実際自分が書いている内容を自分が理解しているかと言うとそうではない。自分が書くマルクス経済学の用語一つの理解も出来ていない。なぜならば、一つには講師の話に集中が出来ないからである。またもう一つには講師が説明をするとき『〜という感じなんですよ』と用語の説明を曖昧にしている時があるからだ」ということです。この話もおかしなところがありますが、考えさせられるところがあると思います。それは「講師の話に集中できない」と言うところです。私の友人が申しますところには、@後ろの方の受講者で小さくない声で喋っている人がいる、Aレジュメを写していると、ほんの一瞬でも先生の話に集中できない時がある(尚その一瞬でも、その友人は先生の話を聞き逃したくないそうです)。

ここまで見てきたところで延近先生にお願いがあります。
1.受講者には、小さくない私語を慎むよう改めて注意をする
2.レジュメの空欄をなるべく少なくする(これは学生の予習にも効果があると思われます。また先生のお話に集中できるようになり、喜ぶ学生も増えると考えられます)
3.課題を先に提示してから授業を行う
これらのお願いはひとえに先生のお話に集中したいがためのお願いです。何卒宜しくお願い致します。
わたしの回答

たんに要望を箇条書きにするのでなく,理由その他まで詳細に書いてくれてありがとう。
講義方法に関するわたしの考え方を書きます。
(1)重要ポイント;「各時間内で授業を受けている際、先生がどこに力を入れていらっしゃるのかが分からない」について

重要ポイントにはいくつかのレベルがあります。木に例えれば,幹・枝・葉のようなものです。

幹にあたる部分。講義の初めにはその日に論じるテーマを話し,各章,各節などの冒頭にはやはりその章,節の主要課題を話しています(必要に応じてレジュメにも掲載)。
太い枝。講義中にも小テーマごとに重要部分は2,3度繰り返し,説明の追加のために板書しています。
細い枝や葉。レジュメの空欄になっている部分(プロジェクターで掲示)は,小テーマの下位レベルの重要部分です。

レポート課題は,幹から枝葉まで細部にわたって見たあと,見る位置を変えて木の全体を捉えなおすためにある,と考えてください。

(2)レジュメの空欄;「レジュメを写していると、ほんの一瞬でも先生の話に集中できない時がある」について

1.プロジェクターに映している内容と無関係の話をすることはありません。
内容そのものあるいはその補足説明を聴いて理解しながらノートをとることが,それほど困難なことでしょうか?
その「友人」はプロジェクターの文字をただ機械的に写そうとしていませんか?

2.講義科目半期2単位というのは予習や復習を前提としています。
また,この講義にはテキストが存在し,基本的にテキストの内容に沿って講義しています。
前もってレジュメをダウンロードできるのですから,テキストを読んで空欄を埋めることは不可能ではないと思いますが…。
さらに予習をしておけば,わたしの話の理解やノートをとることもより容易になると思うんですが。

3.わたしが学生の頃,当時の講義は,テキストもなく先生が話しつづけてたまにメモ程度に板書するというスタイルが少なくありませんでした。
講義を聴きながらその内容をノートに書くのは大変でしたから,いろいろ工夫をしました。
たとえば,よく出てくる単語を略語にする(資本主義は「資」を丸で囲む,絶対的剰余価値は「絶M」のように),同じ表現の繰り返しは下線と矢印で代用とか。
それでも不充分でしたから,家に帰ってからノートを整理しなおす作業が不可欠でした。
(わたしは決して優等生ではありませんでしたから,もちろんすべての授業でそんなことをやっていたわけではありません。ごく少数の興味をもった授業だけです。)

昔話をして「だから最近の学生は…」と言うつもりはありません。そこまでの苦労を強いるつもりもありません。
で,考え出したのが今のような授業方法です。
レジュメにすべて提示せずに,空欄を作り学生に記入してもらうのは,少なくとも重要な部分を書くことによって理解が深まる効果があるからです。
話だけを聞いて理解したつもりになっても,それだけでは脳に記憶として固定化されにくいのです。
レジュメに空欄がなければ,ただ聴きっぱなしになってかえって集中が続かないのではないでしょうか?

> ここまで見てきたところで延近先生にお願いがあります。
> 1.受講者には、小さくない私語を慎むよう改めて注意をする
授業評価に「教室が静かで良い」という感想が複数ありました。わたしも例年より私語が少ないと感じています。
わたしに聞こえるほどの私語は注意していますが,今後も心がけます。

> 2.レジュメの空欄をなるべく少なくする(これは学生の予習にも効果があると思われます。また先生>のお話に集中できるようになり、喜ぶ学生も増えると考えられます)
上で説明しました。空欄の分量には配慮してきたつもりですが,検討します。

> 3.課題を先に提示してから授業を行う
これも上の(1)に書いたように,章や節のテーマ(課題)は冒頭で提示しています。
課題レポートはその章や節のテーマや内容すべてを網羅しているわけではありません。
課題レポートを先に提示すると,それだけが内容のすべてだという誤解をまねくのではないでしょうか?

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