トランプ大統領提案のガザ地区での戦争終結のための20項目の計画(2015年9月29日公表)
2025.9.30作成
1.ガザは近隣諸国に脅威を与えないよう穏健化されたテロのない地帯とする。
2.ガザは十二分に被害を受けているガザの人々の利益のために再開発される。
3.両者がこの提案に合意すれば,直ちに終結する。イスラエル軍は人質の解放のために用意された合意線まで撤退する。この期間中は空爆や砲撃を含むすべての軍事作戦は一時停止され,完全な撤退の条件が満たされるまで戦線は凍結される。
4.イスラエルがこの合意事項を公的に受け入れてから72時間以内に,すべての人質は生死にかかわらず帰還される。
5.すべての人質が解放されれば,イスラエルは終身刑を受けた250人の受刑者と2023年10月7日以降に拘束された女性と子ども含む1700人のガザの住民全員を釈放する。
6.すべての人質が帰還すれば,ハマスのメンバーのうち平和的な共存と武器の使用の停止を誓約した者には恩赦が与えられる。ガザから離れることを希望する者には受け入れ国への安全な移動が提供される。
7.この合意が受け入れられれば,ガザ地区に少なくとも2025年1月19日の人道援助の合意に一致する量の援助が即時に送られる。この援助には飲料水,電力,下水道のインフラ,病院,パン屋などの再建,がれきの除去と道路の開通に必要な設備の搬入が含まれる。
8.ガザ地区への援助と配給は,国連及びその機関,赤十字社,イスラエルとハマスと関係のない国際機関を通して,両者の妨害なしに進められる。ラファの検問所は2025年1月19日の合意に基づいて,同様のメカニズムで双方向に開かれる。
9.ガザの統治については,専門的で政治とは無関係のパレスチナ委員会による臨時的暫定統治の下で,ガザの人々のために公共サービスや自治が提供される。この委員会は適切なパレスチナ人と国際的な専門家で構成され,トランプ大統領が主導する新しい国際的移行組織の「平和評議会」が指揮・監督する。ブレアー元英首相を含むその他のメンバーや指揮官は後日に発表される。
10.ガザを再建し活性化させるトランプ氏の経済開発計画は,中東の諸都市の奇跡的な繁栄の実現に貢献した専門家たちによる委員会の力によって創造される。考慮されるべき投資の提案や魅力的な開発のアイデアは善意の国際的グループによって作成されてきたが,それらはガザの未来のための雇用機会と希望を創出するような投資を促進するような治安と統治の枠組みを総合するよう考慮される。
11.特恵関税をともなう経済特区は参加国の交渉によって設立される。
12.誰もガザからの退去を強制されず,退去を希望する者は自由に退去でき,帰還することも自由である。我々は人々にガザにとどまることを奨励し,より良いガザの建設の機会を提供する。
13.ハマスとその他の分派はガザの統治に対して,直接的,間接的,その他の形態であっても関与しないことを合意する。トンネルや武器製造施設を含むすべての軍事・テロ,攻撃インフラは破壊され,再構築されない。ガザの非軍事化の過程は,国際的な資金に基づく再統合計画の支援による独立監視者の監督の下で,武器を永久に使用不可の状態に置かれる。新しいガザは豊かな経済の建設と近隣諸国との平和的共存を誓約する。
14.ハマスと分派がその義務に従い,新しいガザが近隣諸国やその国民に脅威を与えない保証は近隣諸国によって提供される。
15.米国はアラブ諸国と国際的な友好国とともに,暫定的な国際安定部隊(ISF)を設立し,即時にガザに展開するために尽力する。ISFは(ハマスなどと無関係と検証された)ガザのパレスチナ警察の訓練や支援を提供し,この分野で広範な経験をもつヨルダンとエジプトに助言を求める。ISFは長期的な国内の治安の解決であり,イスラエルとエジプト,新しく訓練されたパレスチナ警察との協働により境界の安全に寄与する。また,軍需品の流入の阻止,ガザへの物資の搬入を保証し,ガザの再建と再活性化のために決定的に重要である。
16.イスラエルはガザの占領や併合を行なわない。ISFが統制と安定を実現すれば,イスラエル国防軍(IDF)は,ガザがイスラエル,エジプトとその国民にもはや脅威を与えないと保証するという目的のもとでのガザの非軍事化の進展に応じて,IDF,ISF,保証国,米国の間の合意によりガザから撤退する。現実的には,IDFは暫定統治当局との合意が成立してガザから完全撤退するまで,IDFが占領中のガザの領域をISFに引き渡すのは漸進的であり,テロの脅威の復活が完全になくなったことが保証されるまで,境界地域でのプレゼンスは維持される。
17.ハマスがこの提案への回答を遅らせるか拒否した場合には,テロの可能性がなくなりIDFからISFに引き渡された域において(のみ),拡大された規模の援助が進められる。
18.異教徒間の対話は,平和からもたらされる利益を強調することによって,寛容と平和的共存の試みとパレスチナ人とイスラエル人の考え方と言動を変えることに基づいて実現される。
19.ガザの再発展の進展とパレスチナ自治政府の改革計画が誠実に実行された時,我々がパレスチナの人々の強い願いと認識しているパレスチナ人の民族自決と独立国家への確かな道のための条件がついに整うだろう。
20.米国は平和と繁栄の共存のための政治的視野の上に立ってイスラエルとパレスチナ人との間の対話を打ち立てる。