[イラク情勢]2018年

2017年までのイラク情勢については『対テロ戦争の政治経済学』をお読みください。
・バグダッド中心部タヤラン広場で2人の自爆攻撃により38人死亡,100人以上負傷(2018/1/15)。

・ISメンバーがウェブサイトやSNSを通じてバグダディ最高指導者への忠誠を誓う声明を発表(4/4)。

・国民議会選挙実施、投票率は44.5%(5/12)。
・選挙管理委員会が国民議会選挙の開票速報でサドル師派政治同盟がバグダッドを含む6州で得票率で首位と発表,アバディ首相が強力な政府を組織するためにあらゆる政治組織と協力する用意があると発表(5/14)。
・選挙管理委員会が国民議会選挙の投票結果を発表,サドル師派政治連合が54議席,シーア派民兵部隊を擁するアミリ代表政治勢力が47議席,アバディ首相の勝利連合が42議席(5/18)。

・サラハディン州北部地域でISが警官家族を襲撃し女性と子ども含む家族12人死亡(6/2)。
・バグダッド東部サドルシティのシーア派モスク近くでの爆弾攻撃により少なくとも20人死亡,110人負傷(6/6)。
・アンバル州北西部シリア国境地域のイラン支援のシーア派民兵部隊の司令部への米軍の空爆により民兵22人死亡,12人負傷(6/18)。
・サドル師とアバディ首相が新政権樹立のための同盟を結んだと発表,サドル師派と共産主義勢力の選挙同盟「改革への行進」は54議席,アバディ首相の「勝利連合」は42議席,サドル師は7日にシーア派のアマル・ハキム氏の「アルヒクマ」(21議席)および世俗派のアラウィ副大統領派(19議席),12日には親イラン派のアミリ氏の「征服連合」(47議席)と同盟関係を締結済み(6/23)。

・バスラで雇用と公共サービスの改善を求める住民の大規模抗議行動が発生(7/8),抗議行動がナジャフ,ムサンナ,メイサン州など南部地域各州に拡大し治安部隊との衝突により多数の死傷者。

・対IS軍事作戦有志連合国軍報道官が米軍はイラクの治安情勢安定化に必要な限りで駐留を継続すると発表(8/19)。
・ISのバグダディ最高指導者がイスラム教の祭日「犠牲祭(イード・アル・アドハ)」に合わせてイスラム教徒に「聖戦」を遂行するよう呼びかける音声メッセージを公開(8/22)。
・アルカイダのザワヒリ最高指導者がすべてのイスラム教徒に対して聖戦に参加するよう呼びかける5分間の演説を公表(8/23)。
・アンバル州西部カイム南部の市内入り口のイラク軍・シーア派民兵部隊の合同検問所への自動車爆弾による自爆攻撃によりイラク兵6人とシーア派民兵4人死亡,14人負傷,ISが実行声明(8/29)。
・モスル南方ショウラ地域で治安部隊員を装ったISがシーア派民兵部隊上級幹部宅を襲撃し幹部と家族計8人を処刑(8/30)。
・バスラ中心部の州政府庁舎で公共サービスの改善と政府の腐敗撲滅を要求する数百人規模の抗議デモ,治安部隊と衝突しデモ参加者の一部がタイヤを燃やし庁舎の壁に火炎瓶を投げて放火,治安部隊の催涙ガスによる鎮圧行動により数十人負傷(8/31)。

・バスラでの公共サービスの改善と政府の腐敗撲滅を要求する住民の抗議行動と治安部隊との衝突が継続,8月31日以来の抗議行動参加者の死者は21人(9/7まで)。
・イラン南西部アフワズでイラン・イラク戦争開戦記念軍事パレードを武装集団が小火器で襲撃しイラン革命防衛隊員12人含む29人死亡,57人負傷,ISが実行声明(9/22)。
ソマリア南部沿岸のキスマヨ北西50q地域でアルシャバブがソマリア軍・米軍部隊を攻撃,死傷者なし,ソマリア軍の応戦と米軍の空爆によりアルシャバブ戦闘員18人死亡(9/22)。
・国防総省が2014年8月に開始した対IS軍事作戦で民間人少なくとも1,114人が死亡したと発表,NGOのAirwarsの集計は6,575人(9/27)。

・国民議会がクルド人政治家のバルハム・サレフ氏を大統領に選出,サレフ大統領がシーア派の政治家のアディル・アブドゥル・マフディ前副大統領を首相に指名(10/2)。
・ISのバグダディ最高指導者が幹部含むメンバー320人を背信行為があったとして殺害を命令(10/10)。
・バクバ北東ミクダディヤ地域にISが新たな拠点を設置したと州政府高官が発表(10/10)。
・アンバル州西部地域でISの攻撃により治安部隊員10人死亡(10/10)。
・政府顧問のIS研究者が,ISは疑似国家としての敗北後,2014年のカリフ国家樹立宣言前の武装組織時代のゲリラ型の攻撃戦術に回帰していると発表(10/12)。

・国連イラク支援団(UNAMI)がニナワ州やアンバル州などのISの旧支配地域で202カ所の集団墓地を確認し最大1万2000人の死体が埋葬されている可能性があるとする報告書を発表(11/6)。
・モスル西部のレストラン近くで自動車爆弾攻撃により21人死亡,17人負傷と州警察発表,保健省は5人死亡,14人負傷と発表(11/8)。
・ブラウン大学ワトソン国際公共問題研究所がイラク,アフガニスタン,パキスタンでの対テロ戦争の死者(治安部隊員,武装勢力,民間人,有志連合国軍兵士)が約50万人に達したとする調査報告書を公表(11/8)。
・ファルージャ北東16qのカルマのスンニ派部族民兵幹部宅を武装集団が襲撃し幹部1人含む9人死亡(11/12)。
・ティクリートで自動車爆弾攻撃により民間人5人死亡,16人負傷(11/18)。

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