イラン・イスラエル情勢年表 2025年

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6月
イスラエルがイランの原子力施設や軍事拠点など100カ所以上を攻撃,ネタニヤフ首相は「我々はイスラエルの歴史における決定的な瞬間を迎えている」と表明し,核兵器開発や弾道ミサイル計画に関わる科学者や、中部ナタンズのウラン濃縮施設も標的にしているとし,作戦は数日間続くと発表,イラン国営メディアはイラン軍のバゲリ参謀総長と革命防衛隊のサラミ司令官,核科学者2人が死亡,イスラエルに対して弾道ミサイル100発以上を発射したと報道,最高指導者のハメネイ師はイスラエルは「厳しい処罰」を受けることになると警告,イスラエル軍はイランが発射したミサイルのほとんどを迎撃したと発表,米軍はミサイル迎撃を支援したと発表(13日)。
・イスラエル軍によるイラン国内への攻撃とイランからイスラエル国内への報復攻撃が継続,これまでにイラン人の死者は少なくともイラン軍と革命防衛隊幹部20人含む146人,負傷者は532人,イラン国営メディア報道,イスラエル人の死者は3人,負傷者は約80人,イスラエル当局発表(14日)。
・イランのアラグチ外相が15日に開催予定の米国との核協議について,イランからの攻撃が続いている限り協議できないと中止を発表(14日)。
・イラン軍広報部門が過去24時間にイスラエル軍のF35戦闘機3機を撃墜したと発表(14日)。
・イスラエル軍によるイラン国内への攻撃とイランからイスラエル国内への報復攻撃が継続,イラン側の死者はこれまでに224人(イスラエルの攻撃開始の13日に78人死亡,14日に60人死亡),イラン保健省発表,人権監視団は少なくとも406人死亡,654人負傷と発表,イスラエル人の死者は14人,負傷者は390人,イスラエル当局発表(15日)。
・イスラエル軍によるイラン国内への攻撃とイランからイスラエル国内への報復攻撃が継続,イスラエル軍がイラン・テヘランの国営テレビ局を攻撃,イスラエル軍はイラン軍の通信センターとして使用されていたと主張,イスラエル首相府がこれまでのイランの攻撃によるイスラエル人の死者は24人,負傷者は592人と発表(16日)。
・イスラエル北西部ハイファでイラン軍のミサイル攻撃によりイスラエル人8人死亡,92人負傷,イスラエル救急隊発表(16日)。
・イラン北西部タブリーズでイラン軍がイスラエル軍のF35戦闘機1機を撃墜したとイラン・メディア報道(16日)。
・イスラエル軍によるイラン国内への攻撃とイランからイスラエル国内への報復攻撃が継続,イスラエル軍は戦闘機50機でテヘランのミサイル製造施設など20カ所を攻撃,イランからは2基のミサイルが発射されテルアビブ上空で爆発したと発表,イラン国営メディアがイラン中部イスファハンでイスラエル軍の無人攻撃機1機を撃墜したと無人機の残骸の映像付きで放送(18日)。
イランの最高指導者ハマネイ師が17日にトランプ大統領が要求した無条件降伏を拒否し,米国のいかなる攻撃も「取り返しのつかない重大な結果」をもたらすと警告(18日)。
・イスラエル南部ベエルシェバのソロカ病院にイランから発射された弾道ミサイルが直撃し施設の一部が損壊,イランの革命防衛隊は病院近くのイスラエルの軍事・情報本部標的の攻撃と説明,イスラエル軍はイラン西部のアラク原子炉とナタンズの核兵器開発拠点を攻撃したと発表,イラン原子力庁は核施設への攻撃は「国際法違反」と非難,テルアビブへの攻撃により47人負傷(19日)。
・イスラエルのネタニヤフ首相がイランのすべての核関連施設を攻撃すると発表,ハメネイ最高指導者も攻撃対象から排除しないと警告(19日)。
・イスラエル軍がイランの防衛革新研究機構やミサイル製造施設など軍事施設数十カ所を攻撃したと発表,イラン軍がイスラエル西部テルアビブ,ネゲブ,ハイファ,南部ベエルシェバをミサイルで攻撃。ハイファでイスラエル人数人負傷(20日)。
トランプ大統領が米軍のB2爆撃機がイラン中部のナタンツ,フォルドゥ,イスファハンの3つの核施設を空爆したとSNS上で発表(21日)。
・イランのアラグチ外相が米軍によるイランの核施設攻撃について,米国は国連憲章と国際法,核拡散防止条約(NPT)に対して重大な違反を犯したと非難し,「今朝の出来事は言語道断であり,永続的な結果をもたらす」と警告,イラン軍がイスラエルを多数のミサイルで報復攻撃(21日)。
・イスラエルのカッツ国防相がイラン中西部のコムでイラン革命防衛隊のコッズ部隊の司令官を殺害したと発表,イラン国営メディアはコムの居住ビルが攻撃を受け2人死亡,4人負傷と報道(21日)。
・イラン保健省がイスラエルの攻撃によるこれまでの死者は少なくとも430人,負傷者は3,500人と発表,イスラエル首相府がイランの攻撃によるこれまでの死者は24人,負傷者は1,272人と発表(21日)。
・ケイン統合参謀本部議長がイランの核施設への攻撃について,B2戦略爆撃機7機でバンカーバスター(地中貫通爆弾)「GBU-57」14発を使用したと発表(22日)。
イラン政府関係者が13日のイスラエルによるイランへの攻撃後,21日の米軍の攻撃前に,中部フォルドゥとナタンズの核施設から20%と60%の濃縮ウランの大部分を安全な場所に移動させたとの情報を共同通信に提供(22日)。
・イラン中部ヤズドでイスラエル軍の空爆によりイラン革命防衛隊(IRGC)の隊員9人死亡,IRGC発表(22日)。
・IRGCがイスラエル西部のベングリオン空港,生物研究センター,イスラエル軍指揮管制所をミサイルで攻撃したと発表(22日)。
イラン軍がカタールの米軍駐留のアルウデイド空軍基地をミサイル14基で攻撃,カタールの防空システムにより撃墜,トランプ大統領はイランが攻撃を事前に通告してきたとし「事前通告をしてくれたイランに感謝する」とSNSに投稿(23日)。
トランプ大統領が「イスラエルとイランの間で完全かつ全面的な停戦が行なわれることに完全に合意した」とSNS上で発表(23日)。
イスラエル首相府がトランプ大統領が23日に提案した「相互停戦」に合意したと発表,イラン攻撃の作戦「ライジング・ライオン」の全目標を達成し「二重の実存的脅威,すなわち核および弾道ミサイルを取り除いた」と主張,イランの最高安全保障委員会がイスラエルとの停戦に合意すると発表,イランのイスラエルに対する行動が「勝利と凱旋をもたらし,敵に後悔させ,敗北を受け入れさせたうえで,一方的に攻撃を停止させた」と主張(24日)。
・イスラエル首相府がイランのミサイル攻撃によるイスラエル人の死者は28人,負傷者は1,472人と発表,国際人権活動団体はイラン人の死者は少なくとも974人と発表(24日)。
国防総省の国防情報局がイランの核施設への米軍の空爆について,中央軍(USCENTCOM)が実施した被害調査に基づく初期評価について,CNNがイランの濃縮ウランは破壊されず,遠心分離機もほぼ無傷の状態で,攻撃はイランの核開発を数カ月後退させたにとどまると国防情報局が評価していると報道(24日)。
・6月13日のイスラエルによるイラン攻撃開始以降,イラン各地でイスラエルのスパイ700人が逮捕されたとイラン・メディア報道(25日)。
・イラン北西部フゼスタン州でイスラエルの諜報機関「モサド」の工作員容疑者26人を逮捕し,所持していた軍事装備や通信装置などを押収,容疑者は容疑を自白したとイラン革命防衛隊が発表(26日)。
ケイン統合参謀本部議長,ヘグセス国防長官,ルビオ国務長官,ラトクリフ中央情報局(CIA)長官が21日に実施されたイランの核施設3カ所に対する空爆について,イスファハンの核施設は地中深くにありバンカーバスターが効果を発揮しない可能性が大きかったために,バンカーバスターではなく潜水艦発射の巡航ミサイル「トマホーク」を使用したとの機密情報を上院議員に説明(26日)。
・イスラエルの裁判所がネタニヤフ首相の汚職容疑の裁判で,ネタニヤフ氏の弁護人が首相はイランとの「安全保障問題」に集中する必要があるとして2週間の証言延期の要請(26日)を「公判の取り消しの根拠や詳細な正当性を提供していない」として却下(27日)。
・国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長がCBSテレビのインタビューで,イランの核施設が米軍の空爆により「深刻な損傷を受けたのは確かだが,完全には損傷していない」と述べ,イランが数カ月かそれよりも早くウラン濃縮活動を再開できる可能性があるとの認識を表明(29日)。

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