文字処理有効視野評価ソフトβ版

2001年3月15日バージョン(2001年3月24日更新)

中野泰志(慶應義塾大学)

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<研究の概要>

 高齢者や障害者の中には、視機能の低下により読書が効率的に行えない場合があり、彼らのQOLを著しく低下させている。彼らに快適な読書環境を提供するには、それぞれの視覚特性に応じた条件整備が必要である。ところが、従来の視機能検査は基礎的な機能を問題としており、読書という高次の機能の予測は困難であった。

 本研究では、平成11〜12年度・文部省科学研究費補助金・奨励研究(A)「高齢者や障害者の読書環境を整備するための有効視野評価システムの開発」(研究代表者:中野泰志、課題番号11710153)から研究費の補助を受け、読書環境を整備することを第一義として読書のパフォーマンスを予測するための新しい評価システムとして、「文字処理有効視野評価システム」を試作した。このシステムは、文字視標を用いて視野を評価するものであり、網膜位置ごとに文字の認知閾を精神物理学的測定法により決定するものである。本研究では、(1)文字処理有効視野評価の必要性についてのフィールド調査、(2)最新のパソコンシステムで動作する評価プログラム(ソフト)の試作、(3)試作したプログラムの臨床実験を実施し、(4)その成果を学会等で発表した。その結果、(1)知的障害やコミュニケーション障害のある障害児・者に文字処理有効視野のニーズが高いことが明らかになった。また、(2)最新のパソコン(ウインドウズ)で動作する評価プログラムを試作し、国立特殊教育総合研究所、国立身体障害者リハビリテーションセンター、特殊教育諸学校等で本ソフトの講習会を実施し、専門家に広く配布した。さらに、(3)特殊教育諸学校において、障害者や高齢者に本ソフトを適応し、臨床データを収集した。


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