本報告は、交通エコロジー・モビリティ(ECOMO)財団平成23年度交通バリアフリー研究助成事業と平成23年度慶應義塾大学学事振興資金「モビリティと情報のインクルーシブデザイン」の助成を受けて実施した研究の成果をまとめたものである。
本研究を実施するにあたっては、日本ロービジョン学会、一般社団法人日本福祉のまちづくり学会、社団法人東京都盲人福祉協会、日本網膜色素変性症協会、日本盲学校長会、社団法人群馬県視覚障害者福祉協会、太田市視覚障害者福祉協会、一般社団法人LED振興普及協会、慶應義塾大学日吉心理学教室にご協力いただいた。また、フィールド調査においては、新潟医療技術専門学校の石井雅子先生に多大なご協力をいただいた。ここに記して謝意を表する。
最後に、本研究にご賛同いただき、調査やヒアリング等にご協力いただいた視覚障害のある皆さんに心から感謝する。本調査により、震災直後や計画停電や節電時だけでなく、今なお約3割の視覚障害者が困難に遭遇しているという実態が明らかになった。また、単に照明の問題だけでなく、サイン計画や非常時の情報提供の在り方等、様々な本質的な問題が潜んでいることが明らかになった。これら、視覚障害者の切実な声に基づいて、今後のまちづくりが行われることを切に願う。