第4章 拡大教科書等の作成支援に関する課題の整理と提言
4.2 提言
- 拡大教科書を選択したり、理解・啓発を行ったりする際に、拡大教科書サンプル集は必要不可欠であり、検定教科書の改訂ごとに発行する必要があると考えられる。
- 拡大教科書サンプル集は、盲学校だけでなく、教育委員会、教科書センター等にも配布されることが望ましいと考えられる。
- 現行の標準規格に基づいて作成されている拡大教科書は、弱視児童生徒のすべての見えにくさを解決するわけではないが、満足度は高いことがわかった。この結果から、標準規格は有効に機能していると考えられる。
- 選択されている文字サイズは、22、26ポイントが多く、18ポイントのニーズは少ないことがわかった。今後、ニーズを考慮し、教科書発行者が用意すべき文字サイズの要件を再検討する必要があると考えられる。
- 教科書のユニバーサルデザイン化への関心は高いが、配慮の内容は、各社にまかされているという現状がある。今後、何らかの基準づくりが必要だと考えられる。
- 電子教科書がアクセシブルになれば、弱視児童生徒の見え方だけでなく、様々な障害児のニーズに応じた配慮を低コストで実現できると考えられている。しかし、現状では、各社、独自の取り組みを行っているため、今後、どのような配慮がどのような障害児に効果的かを考慮した何らかの基準づくりが必要だと考えられる。
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