第1章 拡大教科書の選定方法及び評価方法に関する調査・試作


1.5 盲学校等の専門機関等を対象とした平成23年度版拡大教科書サンプル集に関するアンケート調査

(1)具体的内容及び方法

 今年度試作した新しい拡大教科書サンプル集を全国の盲学校70校、及び拡大教科書サンプル集の在り方に関する研究協議会委員22名に送付し、拡大教科書の選定支援のあり方や新しい拡大教科書サンプル集の活用に関して、郵送方式のアンケート調査により調べた。アンケートの項目は、新しい拡大教科書サンプル集の活用や改善点、昨年度の拡大教科書サンプル集との比較に関するものであった。本調査の調査票を資料3 昨年度拡大教科書サンプル集を配布した盲学校等の機関を対象とした新しい拡大教科書サンプル集の活用に関する調査 調査票として、添付した。

(2)実施結果

 全国の盲学校、及び研究協議会委員92機関中42機関より有効回答(回収率45.7%)が得られた。

 拡大教科書の選択や普及・啓発における新しい拡大教科書サンプル集の有効性に関する回答を表1.5.1、図1.5.1に示した。表1.5.1、図1.5.1より、新しい拡大教科書サンプル集が有効であるという回答が9割ほどであった。

表1.5.1 新しい拡大教科書サンプル集の有効性

回答者数
比率(%)
思う
39
92.9
思わない
0
0.0
わからない
3
7.1
合計
42
100

表1.5.1をもとに新しい拡大教科書サンプル集の有効性を棒グラフに表したもの

図1.5.1 新しい拡大教科書サンプル集の有効性

 新しい拡大教科書サンプル集の活用方法に関する回答を表1.5.2、図1.5.2に示した。表1.5.2、図1.5.2より、相談等で活用する(95.2%)、選定・評価に活用する(66.7%)、普及・啓発に活用する(50.0%)と様々な活用方法に利用されることが示された。

表1.5.2 新しい拡大教科書サンプル集の活用方法(複数回答)

回答者数
比率(%)
拡大教科書の選定・評価に活用する
28
66.7
拡大教科書の見本として相談等で活用する
40
95.2
拡大教科書の普及・啓発活動に活用する
21
50.0
その他
2
4.8
合計
42
100

表1.5.2をもとに新しい拡大教科書サンプル集の活用方法を棒グラフに表したもの

図1.5.2 新しい拡大教科書サンプル集の活用方法(複数回答)

 出版社等のホームページに掲載されている従来のサンプルに対する新しい拡大教科書サンプル集の有効性に関する回答を表1.5.3、図1.5.3に示した。表1.5.3、図1.5.3より、従来のサンプルよりも新しい拡大教科書サンプル集が有効であるという回答が9割ほどあることがわかった。

表1.5.3 従来のサンプルに対する新しい拡大教科書サンプル集の有効性

 
回答者数

比率(%)

思う
38
90.5
思わない
1
2.4
わからない
3
7.1
合計
42
100

表1.5.3をもとに従来のサンプルに対する新しい拡大教科書サンプル集の有効性を棒グラフに表したもの

図1.5.3 従来のサンプルに対する新しい拡大教科書サンプル集の有効性

 前の項目で新しい拡大教科書サンプル集の方が有効であると回答した機関の回答理由を表1.5.4、図1.5.4に示した。表1.5.4、図1.5.4より、教科書の大きさ、重さ、厚さを実感できるからが8割ほどであり、ホームページのサンプルでは本物の拡大教科書と同じ条件になっているか確認できないからが4割ほどであった。

表1.5.4 新しい拡大教科書サンプル集の有効な理由(複数回答)

回答者数
比率(%)
本サンプルでは、教科書の大きさ、重さ、厚さを実感できるから
35
83.3
ホームページのサンプルでは、本物の拡大教科書と同じ条件で印刷できているか確認できないから
18
42.9
その他
2
4.8
合計
42
100

表1.5.4をもとに新しい拡大教科書サンプル集の有効な理由を棒グラフに表したもの

図1.5.4 新しい拡大教科書サンプル集の有効な理由(複数回答)

 出版社等のホームページに掲載されている従来のサンプルに加えて、今回のような冊子版のサンプルの必要性に関する回答を表1.5.5、図1.5.5に示した。表1.5.5、図1.5.5より、冊子版のサンプルが必要であると回答したのは全体の9割ほどであった。

表1.5.5 冊子版のサンプルの必要性

回答者数
比率(%)
思う
38
90.5
思わない
1
2.4
わからない
3
7.1
合計
42
100

表1.5.5をもとに冊子版のサンプルの必要性を棒グラフに表したもの

図1.5.5 冊子版のサンプルの必要性

 昨年度の拡大教科書サンプル集と比較して、新しい拡大教科書サンプル集の良い点の自由記述より、携帯性が増し扱いやすくなった点や音楽や図工など昨年度にはない科目が含まれている点などが挙げられていた。

 また、新しい拡大教科書サンプル集の改善点の自由記述より、科目ごとの分量の違いや変形サイズに関しては折り込み等で実際のサイズのサンプルが必要、配布数の増加などが挙げられていた。

 その他にも、幼稚部の教員からも参考のため貸してほしいといった意見や改良工夫を続けて欲しいなど、継続的な改変や活用の可能性の要望の記述が挙がっていた。


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