昨年度試作した「拡大教科書サンプル集」がどのように活用されているかについて、全国の視覚障害特別支援学校(盲学校)70校を対象に、郵送方式のアンケート調査を実施した。回答は各学部で教育相談等を担当している教員に依頼した。本調査の調査票を資料1「拡大教科書サンプル集」活用状況と改善点に関するアンケート調査 調査票として、添付した。
回答者の所属学部を表1.2.1、図1.2.1に示した。小学部(小学校)がやや多かったが、ほぼ均等に分布していた。
回答者数 |
比率(%) |
|
幼稚部 | 31 |
23.0 |
小学部 | 51 |
37.8 |
中学部 | 35 |
25.9 |
高等部 | 31 |
23.0 |
無回答 | 8 |
5.9 |
合計 | 135 |
100 |
教育相談等で学外の弱視児童生徒に対して実施している支援の状況を表1.2.2、図1.2.2に示した。表1.2.2、図1.2.2より、補助具と拡大教科書の併用に関する評価・相談を実施している学部が7割に及び、拡大教科書のサンプルの閲覧や選定の支援、読書速度等の評価を実施している学部が6割以上と多いことがわかった。
回答者数 |
比率(%) |
|
ルーペ等の補助具と拡大教科書の併用方法に関する評価・相談 | 95 |
70.4 |
拡大教科書のサンプルの閲覧や選定の支援 | 88 |
65.2 |
読書速度等の評価 | 83 |
61.5 |
拡大教科書の効果的な使い方に関するアドバイス | 53 |
39.3 |
特に実施していない | 7 |
5.2 |
その他 | 27 |
20.0 |
無回答 | 2 |
1.5 |
合計 | 135 |
100 |
昨年度、盲学校に配布した「拡大教科書サンプル集」の活用状況を表1.2.3、図1.2.3に示した。表1.2.3、図1.2.3から、5割以上が活用していることがわかった。
回答者数 |
比率(%) |
|
活用している | 74 |
54.8 |
活用していない | 57 |
42.2 |
無回答 | 4 |
3.0 |
合計 | 135 |
100 |
前の項目で拡大教科書サンプル集を「活用している」と回答した回答者に対して、その活用方法を尋ねた。その結果を表1.2.4、図1.2.4に示した。表1.2.4、図1.2.4より、最も多かった回答は、「教育相談の弱視児童生徒の拡大教科書選定・評価に利用している」であり、約8割を占めた。また、「拡大教科書の説明等に利用している」、「学内の弱視児童生徒の拡大教科書選定・評価に利用している」という回答も多く、多様に活用されていることが明らかになった。
回答者数 |
比率(%) |
|
学内の弱視児童生徒の拡大教科書選定・評価に利用している | 34 |
45.9 |
教育相談の弱視児童生徒の拡大教科書選定・評価に利用している | 59 |
79.7 |
拡大教科書の説明等に利用している | 49 |
66.2 |
その他 | 4 |
5.4 |
無回答 | 0 |
0.0 |
合計 | 74 |
100 |
前の項目で拡大教科書サンプル集を「活用していない」と回答した回答者に対して、その理由を尋ねた。その結果を表1.2.5、図1.2.5に示した。表1.2.5、図1.2.5より、最も多かった回答は「サンプル集が盲学校にあることを知らなかったから」であり、約半数を占めた。
回答者数 |
比率(%) |
|
サンプル集が盲学校にあることを知らなかったから | 28 |
49.1 |
サンプル集が届いていないから | 12 |
21.1 |
サンプル集を利用する対象児童生徒がいないから | 16 |
28.1 |
サンプル集は利用しにくいから | 1 |
1.8 |
その他 | 10 |
17.5 |
無回答 | 0 |
0.0 |
合計 | 57 |
100 |
新しい拡大教科書サンプル集の必要性ついて、表1.2.6、図1.2.6に示した。9割以上が新しいサンプル集を希望しており、期待が高いことがわかった。
回答者数 |
比率(%) |
|
希望する | 125 |
92.6 |
希望しない | 6 |
4.4 |
無回答 | 4 |
3.0 |
合計 | 135 |
100 |
拡大教科書サンプル集を改良する際に望むことは何かという質問に対する主な回答を以下に示した。
使用したポイント数や書体の名称が記載されていると使用しやすいという意見が挙がった。
各学年、各教科のサンプルを用意してほしいという意見や、様々な書体や色で作成してほしいという意見が挙がった。
サンプル集の使い勝手に関する意見をまとめた。教科や学年等の区切りがわかりにくいという意見が挙がった。