先生に宛てられた2004年度卒業生からの手紙
1 〜男子学生より〜
拝啓

 桜の開花が待ち遠しい毎日でございます。

 先日は御手紙を、そして御宅にお招きいただきまして誠にありがとうございました。大変お忙しい中、卒業にあたり あのようなお言葉を、そして奥様の心の込もった御馳走をいただけたことは、誠に嬉しく幸せに思っております。改めて先生の研究会に入れていただき良かったと実感致しました。

 二年間の研究会活動を通じ、良き師、良き友、そして良き師の奥様にお会い出来たことは、私の学生時代の一番の思い出であり、またこれからの糧となりました。来月からいよいよ社会人となりますが、先生に頂戴した「責任を取れる人になって下さい」「他人を褒める勇気」という言葉をしっかりと胸に刻み、そして奥様の手料理の味を忘れずに、少しでもお二方に成長した姿をお見せできる様、頑張りたいと思います。

 二年間本当にありがとうございました。そしてこれからも御指導、ご鞭撻の程どうぞ宜しくお願い致します。山口先生におかれましては、これから益々お忙しくなられる御様子、どうかお体に御留意され、お元気でお過ごし下さい。

敬具

2 〜男子学生より〜
拝啓

 春陽の候、先生におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。

 先日はご自宅にお招き頂き、誠にありがとうございました。先生や奥様、そしてゼミ生達と素晴らしい時間を過ごせたことを大変光栄に思っております。

 ゼミでの二年間で私は本当に多くのことを学ぶことが出来たと感じております。特に本当に努力するとはどういうことなのか、そして如何に努力することが大切かということに関しては並々ならぬものを学べたと思っております。山口ゼミに入る以前にも、自分の中では様々な面で努力をして来たと考え、入ゼミ当初も「今までのように努力して行こう」と思っておりました。そしてそのような気持ちで臨んだゼミでの最初の発表で悉く失敗し、正直やっていけないのではとも考えてしまいました。しかし、そのゼミの終わりに先生がおっしゃった「凡人の努力は天才に勝る」という言葉で自身の甘さに気付くことが出来ました。それまでの自分の努力とは自分の出来る範囲での妥協でしかなかったのだと反省し、先生やゼミの皆さんの物事に対する真摯な姿勢を目の当たりにし、自分もこうしなければと思いました。そして現在、まだまだではありますが、もうこれ以上は出来ないと言えるところまで物事に取り組むという真の努力というものを少しは出来るようになったのではと思います。もしも山口ゼミに入っていなければ、努力の本当の意味を知らないまま社会に出ることとなっていたのかと考えると、本当に山口ゼミに入って良かったと感じております。今後もあらゆる面で、先生のお言葉を胸に「真の努力」をしていく様に心掛けていく所存であります。本当に二年間ありがとうございました。

 末筆となりましたが、どうぞお体を大事になさって下さい。先生、そして奥様の益々のご健勝、ご活躍をお祈り申し上げます。今後ともご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願いいたします。

敬具

3 〜男子学生より〜
拝啓

 日ざしが春のおとずれを告げる頃となりました。初めて先生とお会いした時から二年という歳月が経過したことを実感しております。この二年間は私にとって、慶應での学びを締めくくる時期であると同時に職業選択を通じて人生の設計図を描く時期でもありました。その結果、研究者、とりわけ教授という職を目指して慶應の大学院に進学するという道が開かれ、深い感慨の念と共に、大変身のひきしまる思いでございます。山口先生との出会いなしには今日の私はおりません。改めて山口先生に深く感謝申し上げます。

 日吉時代に私は己の興味に基づいて、経済学以外にも商業学、国際政治、生物学、哲学、宗教学等々精一杯学びました。これらの学びは己の世界観や視野を広げるのに寄与したとは思いますが、当時の私に欠けていたのは専門性と論理性でした。社会現象や物事を考えても考えが分散し焦点が定まらないことが多くありました。その意味で山口ゼミの要求する水準は私には高く厳しいものでしたが、その分自分には貴重で不可欠なものでした。先生やゼミ生に指摘されるたびに、自分の考え方、発想法、論理構成にはいかなる点で弱点や偏りがあるのかを考えました。その過程で、自分はどうしても話が抽象的になってしまう、という壁にぶつかりましたが、先生や友人から吸収できるものはすべて吸収しよう、と心に決め、必死にもがきました。

 その結果、清華大学でのインゼミを迎える頃には、入ゼミ当初から私の思考回路を覆っている「霧」が消え、「晴れ間」が広がってきたことに気づいたのです。まだまだ駆けだしであり不十分なことの方が多いですが、この体験は私の心に勉強することの楽しさを送り届けてくれました。忍耐から生まれる喜び、という産物を今後の歩みの原動力としていけたら、と思います。

 私達の世代は、21世紀の初めの年に大学に入学し、学問を修めてきました。米同時多発テロによって幕を開けた21世紀は、グローバル化が多元化していくことを暗示しているように思われます。今後の世界経済、政治、環境がいかなる様相を帯びてゆくかは定かではありませんが、この私もこの世界に、この時代に生かされている者として人間関係を、民族・宗教・国家間の関係を、そして地球環境をはじめとする社会全体をより善い在り方へと導いてゆきたい、と思わされています。

 山口先生の背中を追いかけつつ、いつしか私独自の方法で社会に仕え、人々に仕えていけたら、と切に願っています。そのためにも、目の前にあることを地道にクリアしていく努力を忘れないで歩んで参ります。

 山口光恒先生、9年間の慶應でのご教鞭、とりわけこの二年間のゼミでのご指導を誠に有難うございました。奥様をはじめとするご家族の皆様にも厚くお礼申し上げます。どうか、お体を大切にして下さい。

敬具

4 〜男子学生より〜
拝啓

 桜の木が蕾を持つような春麗らかな季節が訪れてきました。先生にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。

 このたび私たちゼミ生の卒業にあたりましては、ご丁寧なお手紙ならびに、お言葉をいただき、厚くお礼申し上げます。

 さて、私のゼミ生活を振り返ってみますと、先生から教えて頂いたことの多さに驚きます。visibleなもの、invisibleなものがあり、全てをあげることは出来ません。しかし、特に印象に残ったものを挙げるとすれば、前者では社会人スタンダード、ロジックを通すことなどがすぐに思い起こされます。後者は、私が個人的に感じたことですが、何事にも真摯に取り組む姿勢です。これからも先生を見習っていきます。

 今後、実社会に出ましても、ゼミで学んだことをベースにして、新しい物事に挑戦し、成長していく所存でございます。

 先生のいっそうのご活躍をお祈りするとともに、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

敬具

5 〜男子学生より〜
拝啓

 早春の候、益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。

 先日はご自宅にて大変素晴らしいおもてなしを頂き、有難うございました。奥様の手料理はどれをとっても大変おいしく、デザートなどは人の倍頂いてしまいました。

 また、卒業に際し、大変素晴らしいお言葉を有難うございました。八期生へのお言葉だけでなく過去の贈る言葉も拝見しましたが、どれをとっても現在の自分ができていないことばかりでした。これから社会に出ていく中で、先生のお言葉を肝に銘じ頑張っていこうと思います。

 二年間のゼミ生活を思い起こしてみると楽しい事ばかりではなく、辛く苦しい思い出の方が多い気がします。しかし辛く苦しんだからこそ成長出来たのだと今では先生にとても感謝しています。特に、先生のご指導によって「常に努力する」姿勢が身に付いたことは、一生の宝物だと思っています。

 この四月から私は企業の財務として社会に出て行きます。不安もありますが先生から教わったことを肝に銘じ精一杯頑張っていきたいと思います。

 末筆ながら、先生、奥様の益々のご健勝お祈り致します。

敬具

6 〜女子学生より〜
拝啓

 桜の蕾も大きく膨らみ、今日明日にも開花しそうな良い季節となりました。先日はお招きいただきまして本当にありがとうございました。

奥様の沢山のお料理には大変驚きました。どれも本当に美味しくて、遠慮なく沢山頂いてしまいました。

ゼミでは大変お世話になり、本当にありがとうございました。私にとって、このゼミで過ごした時間はとても充実し、自分なりに少しは成長したのではないかと思っております。四月からは、新しいゼミで又精一杯頑張りたいと思います。

これからも、ご指導のほどよろしくお願い致します。

敬具

7 〜女子学生より〜
拝啓

 少しづつ春めいてきましたが今日この頃、ご夫妻共々、今までの先生の教授生活を振り返り穏やかな日々をお過ごしのことと存じます。また、新たな生活に向けて、お忙しく日々励んでいらっしゃることと存じます。

 そのような中、先日はご自宅にご招待頂き、また、大変手のこんだ幸子夫人のご馳走を十二分に頂き、誠に有難うございました。まだ卒論も書き終えていないような身分の私がお邪魔するのは大変恐縮でありましたが、他のゼミ生と変わらずご招待頂き、誠に幸せな時間を過ごさせて頂きました。

 幸子夫人が先生をご家庭で力強く支えていらっしゃるご様子が良く伝わり、山口先生のご活躍はご夫妻の力を合わせた成果である事と存じます。今後も、山口先生の教授としてのご繁栄と、ご夫妻の幸せに満ちた生活を心よりお祈り申し上げます。

敬具

8 〜女子学生より〜
先生へ

 先日は、お招きいただき、ありがとうございました。おいしいお料理をいただきながら、楽しい時間を過ごさせていただいて、改めて卒業したことを実感すると共に、反面さみしい気持ちがしたのが実際です。

 最近毎日のように実感しているのですが、私はゼミで2年間を過ごして、慶應に入学してよかったと心から自然に思うようになりました。入学当時は慶應の卒業生は「慶應、慶應」と慶應の話ばかりをする印象があって、自分は染まらないように、と実は警戒していたのですが、今では先生やゼミに出会えたこと、また一生懸命勉強できる場が与えられたことに心から感謝しています。

 この先、様々な困難に遭遇したり、迷ったり、誤ったり、といろいろなことがあると思いますが、たとえ自分がどのような環境にあっても、何をしていても先生にお会いしたときに恥ずかしくない自分でいたいです。というより、います。

 3年間本当にありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています。どうぞくれぐれもご自愛下さいませ。奥様にもよろしくお伝え下さい。

9 〜男子学生より〜
拝啓

 浅春のみぎり、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。先日は御自宅にお招き頂きまして誠に有り難う御座いました。大変美味しい御馳走の数々は今でも鮮明に記憶しております。毎日奥様の手料理を食べられる先生を羨ましく存じます。

 この四年間の慶応義塾での生活を振り返った時に、最も大きな転機は山口先生との出会いでした。私は、一年の頃は全くといって過言ではないほど勉強をせず、授業にもあまり出席せず、テストにも遅刻してしまうような人間でした。しかし、二年の時に山口先生の“経済と環境”の講義を偶然に履修したことが、人生を変えました。圧倒的に本気で授業に臨まれる先生の姿に心打たれ、知的な思考の心地よさを感じ、何よりも環境問題を始めとした答えの無い解決すべき問題が数多く存在することについて危機感を持って学ぶことが出来たからです。その後は他の授業にも出るようになり、非常に充実した大学生活に足を踏み入れることになりました。

 本当の意味の充実感を知るのはゼミに入ってからでした。当初は自らの知見不足のためにかなりの勉強を余儀なくされ、非常に辛く何度も辞めたいと考えました。特に四年の前期の勉強量は今思い出しても恐ろしいものがあります。ゼミの勉強に演習の勉強、貿易と環境の予習という具合で友人と遊ぶこともなかったと記憶しているほどです。とても消化しきれるものではないということを御承知の上で先生が様々な教材を提示されていたのではないかと当時は思っておりましたが、実際に研究者に求められる研究量は当時の何倍にものぼるのではないかと存じますし、あの経験が今後役にたつであろうことは疑いの無い所です。それらの厳しい勉強を経て、清華大学での最後の発表を聞き終えたとき、そして卒業論文を書き終えた時には、これまでの人生で味わったことのない充実感を得ることが出来ました。それは、徹底的にやり抜いたことで初めて得ることが出来たのだと存じますし、同時に今までの努力がいかに浅いものであったか痛感した次第でした。

 最後に一つ達成できなかった目標について言及させて頂きたいと存じます。私はゼミに入った当初、先生の勉強量を少しでも超えたいという目標を持っておりましたが、結局は勉強の時間すら足元にも及んでいませんでした。勉強するほど差の大きさを強く感じさせられてしまいました。今後は大学院という場で、ある程度集中的に学ぶことができますので、少しでも先生の勉強量に近づけるよう努力したいと存じます。

 この二年間本当にお世話になりっ放しで、どう御礼申し上げても足りませんが、誠に有り難う御座いました。これまでの人生で一番濃密で充実した二年間を過ごすことが出来ましたし、この間の経験は一生の宝です。

 まだまだ勉強不足な身で恐縮ですが、今後とも御指導の程、宜しくお願い申し上げます。

敬具

10 〜男子学生より〜
拝啓

 早春の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。

 先日は食事階に招待していただき、本当にありがとうございました。奥様のおいしい手料理を頂き、また同期の皆と楽しく過ごせたのは大変良い思い出になりましたが、途中でおいとましなくてはならなかったのが非常に残念でした。本当に申し訳ございません。

 私はよく人生を航海に例えます。その時々に所属していたもの、例えば学校であり、部活であり、サークル、そしてゼミは人生の長い航海の上での“港”であります。港であるのでいつかは去って行かなくてはならないものです。そのように考えていれば、これで皆は離ればなれになってしまいますが悲しいものではなくなります。逆にまたいつ会えるのだろうという期待が持てます。山口ゼミに所属していたこの二年間は自分に中でもとても大きな港でした。そこにおいて積まれた荷物(思い出、経験)は今後の航海でも道を誤らず、正しい道を指してくれるものでしょう。それ程とても貴重な物を手に入れたと、私は思っています。本当にこの二年間、お世話になりました。

 季節の変わり目では体調も崩れやすくなっております。お身体、御自愛下さい。

敬具

11 〜男子学生より〜
拝啓

 春暖の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。

 先日は、西大井の先生宅でのパーティー、そしてありがたいお言葉の書かれていたお手紙を本当にどうもありがとうございました。

 この四月から、私もいよいよ社会人としてのスタートを切りました。先生も奥様もお元気のことと思います。今は小田急線玉川学園前駅にある研修所にていわゆる社会人スタンダードについて、そして損害保険に関する基本的な知識の習得に励んでおります。150人いる同期のメンバーともどんどん親密になり、新鮮な日々を過ごしております。そこで、今まで様々な大学で過ごしてきた人達と話し、一日の入社式を終え一社会人となってから実感するのは、やはり山口先生に指導していただけて本当に良かった、ということです。

 今思えば、日吉での先生の授業で不合格だった者も山口ゼミに入れてくださったことにまず感謝しなければなりません。ありがとうございました。私は、経済学部のスタディーガイドで先生のお名前を発見し、一年のときに先生のホームページを見たその時から山口ゼミに入って勉強したい、ということを心に決めておりました。先生のホームページの「入ゼミについて」でおっしゃられていた教育者としての先生の考え方、そして常に大切な事を大切にしながら歩み続けてこられた先生の大きさに本当に感動し、そして尊敬していました。

 この二年間は正直な話、特に清華大学とのインゼミが終わるまでは、先生とこのゼミの厳しさ、辛さで何度やめようと思ったことかわかりません(今思うと、その厳しさ故に、自分から志願して入れていただき、自分が興味を持った分野の勉強をしているのにこのような事をこと自体おかしな話です)。しかし、そのような「やめたい」という様な気持ちや、「なにくそ!」という気持ちも、常に私たちよりもハードなスケジュールで動き回り、常に勉学の手を緩めず勉強し続けていらっしゃる先生の姿を見るとすぐに、「やめよう」などと思ってしまった自分の小ささ、レベルの低さに気づかされ、もっと頑張らなくてはいけない、と思い今まで、そして最後まで続けてくることができました。その繰り返しの結果、本当にこの二年間で知識的にも、そして人間的にも他の大学、ゼミの学生と比べたら、間違いなく成長できたのではないか、と思えるようになりました。環境問題の話以上に、先生のワグネルでの体験談や、友人を大切にしろというお話、「信用」の大切さや東京海上時代のお話など色々なお話をしてくださり、山口先生のような先生にめぐり会うことができ、そして山口ゼミにて直々にご指導を受けることができ、本当にこの二年間幸せでした。

 慶應を出てもなお、お仕事をやめず歩き続ける先生の事を本当に心の底から尊敬しています。私はまだ23歳の若僧ですが、40年後には少しでも先生のような存在になれるように、気持ちを改めてこれから頑張っていきたいと思います。これからも末永くお元気で、奥様ともお幸せに、そしていつまでも私の先生でいてください。二年間本当にありがとうございました。

 今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

敬具

12 〜男子学生より〜
拝啓

 春もたけなわのこのごろですが、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 さて、先日は先生のご自宅にお招き下さり誠にありがとうございます。一人暮らしの私にとって、あのようなおいしく、かつ栄養のある料理を口にする機会は大変少ないので非常に嬉しかったです。また、卒業して様々な地域で働きばらばらになってしまう前に、ゼミ生と会う事が出来、非常に良かったです。先生のおかげでとても有意義な時間を過ごす事が出来、感謝致しております。本当にありがとうございました。

 私は、現在新入社員研修の真っ最中です。研修においては会社の概要、業界の知識、ビジネスマナーなどの基礎的な事やロジカルシンキング、交渉術などといった応用力の必要な事も学んでおります。研修は非常にハードですが、山口ゼミで身に付ける事が出来た「論理的思考力」、「忍耐力」で楽しくかつ充実した毎日を過ごす事が出来ております。これからも山口ゼミで学んだ沢山の事を活かし、社会人生活を充実させていきたいと思います。

 まずは御礼申し上げます。奥様にも何卒よろしくお伝下さい。末筆ながらますますのご慶勝をお祈り申し上げます。

敬具

13 〜男子学生より〜
拝啓

 春暖の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。先日は、先生の御自宅にお招き頂き、さらに、本当においしい奥様のお料理まで頂きましてありがとうございました。

 また、先生からのお言葉、本当にありがとうございました。「他人を褒める勇気」を心に留め、実践することが出来るよう頑張ります。この言葉を頂きまして自分自身思い当たる節があり、はっとさせられました。

 二年間のゼミ生活を振り返ると、限界を超えて勉強した日々や、班員といがみ合いをした日もさることながら、先生に嘘をついたため、発表準備のため、予習不足のために胃が痛かった日々が思い出されます。先生に嘘をついてからは、先生の顔をまともに見ることができませんでした。自分のした行動を深く反省しております。そして、今後は絶対にそのようなことをせぬようにします。しかし、そのような僕に対してでも、常に先生は僕の成長のために、厳しいお叱りや、期限内には終わらない程多い新たな課題や、物事の考え方などのアドバイスや、勉強や環境学生会議の運営に対する激励のお言葉を与えてくださりました。先生が僕に接してくださる度に、僕は、嘘をついたことに対する反省や、限界まで努力しなかったことに対する反省など、様々な反省をしていました。それと同時に、先生が実践していらっしゃる「継続して努力すること」の大切さと、その困難さをかみしめ、勉強や会議運営に対する気持ちが新たになったのを覚えています。先生のご指導によって、僕は大きく成長したと思いますし、僕の人生も大きく変わったと感じております。先生の温かいご指導には感謝の気持ちでいっぱいです。

 二年間のゼミ生活では、先生や先輩の方々、同期のゼミ生から多くのことを教えていただき、多くのことを学ばせていただきましたが、僕が学んだ最も大きなことは、「何事も主体的に行動する」ということでした。ゼミに入った当初は正直、全く勉強が好きではありませんでした。EPRの発表をしても、「先生に怒られないようにすればいいだろう」「分からない英語は適当にごまかしておけばいいだろう」という極めて低い意識でゼミに臨んでいました。しかし、先生が研究室で黙々と英文を読んでいらっしゃる姿や、同期のゼミ生が大量の英文を難なくこなす姿を見るにつれ、「先生や皆は勉強が楽しいからそれ程までに頑張ることが出来るのではないだろうか、もしかしたら自分も、主体的に勉強に取り組めば楽しくなるかもしれない。環境学生会議の時も主体的に取り組んだら面白くなったからきっとそうに違いない」と思うようになりました。そして、少しずつ勉強を始めるようになり、やがて徐々に勉強が楽しくなってきました。その頃には、「先生に怒られるから勉強しよう」というような低い意識は消えており、先生が与えてくださった課題を可能な限りこなすようになり、積極的に発表の立候補をするようになっていました。そして以前は辛くて嫌々出席していたはずのゼミの時間も、嫌々出席しなくなっていました。それどころか、ゼミに出席する度に、「周りのゼミ生に早く追いつきたい。そのために今よりももっと勉強しなくては」と思うようになり、ゼミの時間は、自分の勉強不足に対する反省の時間と、勉強することに対する気持ちが高まる時間に変わっておりました。環境学生会議の運営やゼミを通じて、他人に言われて何かをするよりも、自らが主体的に動いて何かをする方が楽しく、新たな発見があり、自分のためになる、ということを知りました。そして、このような貴重な体験は、先生や優秀なゼミ生に囲まれた山口ゼミに居なければ、きっと体験することが出来なかったと感じております。

 入社式を終え、これからずっと社会人としての生活が続きますが、今は不安どころか、山口ゼミで培った知恵や忍耐力、主体性などによって、清華大学の時や、環境学生会議の時のように、どんな困難も精一杯頑張れば乗り越えることが出来るであろうと確信しております。そして、次に先生にお会い出来る時には、ゼミを卒業した時の僕よりも更に成長した僕をお見せすることが出来るように、そして今度はゼミで取ることの出来なかったAの評価を社会人として頂くことが出来るように頑張ります。

 末筆になりましたが、先生、奥様にはくれぐれもお体をお大事になさってください。これからも益々のご健勝とご活躍をお祈りしております。またお会いできる日を楽しみにしております。二年間本当にありがとうございました。

敬具