シラバス

授業の目標

計量経済学の基礎的な理論を講義する。この授業ではテキストで紹介されている様々な分析方法の手順を単に学ぶのではなく、(1)その理論的な背景や根拠について統計学的な知識を補足しながら納得できるようにする、(2)経済分析にどのように応用することができるのかを知る、(3)PC(ソフトはStataかR)を使った実習を通じて自分で分析ができるようにする、点に特徴がある。統計学、微分積分、行列の知識を前提とするが、適宜復習をするので心配しないでください。「計量経済学概論」や「計量経済学T」を既習の方が望ましいが不可欠ではない。計量ソフトについては知識がなくとも、この時間で習得できるよう工夫する。

授業内容

(春学期)
  1. Introduction:経済分析における統計的方法(1回)
  2. 古典的回帰モデル:実験室の仮定(5回)
    最小2乗法とその統計的性質、最尤法とその統計的性質、仮説検定、モデルの評価
  3. 一般化最小2乗法(4回)
    分散不均一性の問題、自己相関の問題
  4. 操作変数法(2回)
  5. その他のトピック(1回)

(秋学期)
  1. 離散選択モデル(4回)
  2. Tobitモデル(3回)
  3. カウントデータの分析(3回)
  4. サンプル選択問題(3回)

教科書

難波明生(2015)『計量経済学講義』日本評論社

参考書

William H. Greene(2017), Econometric Analysis 8th ed./ISE, Prentice Hall IE(paper版を手に入れてください)
蓑谷千鳳彦(2011)『計量経済学大全』日本評論社
Jeffrey M. Wooldridge(2010) Econometric Analysis of Cross Section and Panel Data, 2nd ed. MIT press
Paul A. Ruud(2000) An Introduction to Classical Econometrics Theory, Oxford UP
福地純一郎、伊藤有希(2011)『Rによる計量経済分析』朝倉書店

履修者へのコメント

統計学や行列の知識を補足しながらわかりやすい解説に努めますので、興味のある人は是非履修してください。授業では数式の展開もありますが、図やグラフなどを用いて直感的に理解できるようにします。また分析ツールとしてRまたはStataを用いた実習を行います。

成績評価方法

春学期の成績はレポートと期末試験によって決定する。秋学期の成績は期末試験によって決定する。

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